#10 ビルドアップを成功させる方法:トラッキングデータから見る攻撃のヒント
ビルドアップを成功させることは簡単ではない
なんてことはサッカーに関わる多くの人が知っています。
ポジショナルプレーを理解して落とし込めれば成功確率は上がるはずですが
これをやれば絶対うまくいく!
という方法は無いでしょう。
なので、成功確率を高めるためのヒントをかき集めていく作業が必要になります。
そのヒントの一つになるのでは?という論文を見つけたので
今回はその紹介です。
ただ論文を紹介するだけだと面白くないので
この記事では実践との関わりも求めて
『ポジショナルプレーのすべて』
の言説とも少し照らし合わせてみました。
(改めて読み直したけどめちゃくちゃ面白い)
論文の概要
タイトル
The tactics of successful attacks in professional association football: large-scale spatiotemporal analysis of dynamic subgroups using position tracking data
対象
エールディビジ118試合のトラッキングデータ
定義
攻撃の成功
ボール保持者がゴールから30メートル以内にいて、十分な守備のプレッシャーがかかっていない状態を作れた時
主な結果
攻撃成功時は
攻撃チームのディフェンダーと守備チームのアタッカー(フォワード)の同期性が減少していた
守備チームのディフェンダーと攻撃チームのアタッカーの同期性が増加していた
攻撃チーム内のディフェンダーとミッドフィルダーの同期性が減少していた
攻撃チーム内のミッドフィルダーとアタッカーの同期性は高まっていた
チーム間・チーム内の同期性は分布の広がりが大きかった
解説と考察
この論文では、トラッキングデータを使用して
ディフェンダー、ミッドフィルダー、アタッカーというグループ毎の同期性(まとまり)が、攻撃成功時と失敗時にどのような違いがあるかを調査しています。
なかなかうまくいかない場合はまず何をすべき?
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