鈴木健介/Kensuke Suzuki

◾️国際武道大学准教授 ◾️博士(コーチング学) ◾️筑波大学(博士・修士・学士)⬅️國學院久我山 ◾️科学↔️現場 ◾️専門:サッカーコーチング論・ゲーム分析 ◾️二児の父 ◾️ブログ→http://szkknsk.com

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最近の記事

#13 シーズンをどう振り返るか:精度を高める二つの思考法

そろそろ主要大会が終わるという意味で、今シーズンが終わる(もしくはすでに終わっている)チームも多いと思う。 チームとしてどのようにシーズンを過ごせたのかを振り返る作業は、次シーズンに向けて非常に重要となる。 この振り返り作業の精度を高めるためには、 「ゲームパフォーマンス分析的思考」 「事例研究的思考」 この二つの思考法が有用であると私自身は考えている。 この記事では二つの思考法と、それぞれの具体的な運用方法について解説していく。 ゲームパフォーマンス分析的思考ゲーム

    • #12 体力測定でジャンプ系の種目を測るなら垂直跳びだけじゃなくてリバウンドジャンプも測った方が良い

      サッカーに限らずスポーツ全般で体力測定は行われると思います。 サッカー界は、一昔前は技術至上主義に近く、筋トレしてる人もそんなに多くないという状態でしたが、現在は肉体的な強さがなければ活躍は難しいという状況にあります。 例えばGPSやトラッキングデータを利用し走行距離を測定・分析した論文では、高速度走行距離の割合が増加傾向にあることを報告しています(Barnes et al., 2014)。 これは、現代サッカーに要求される体力要素の一つであると考えられます。 また、

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      • #11 サッカーでは勝利を絶対的な指標にすると幸せが頭打ちになるという話

        勝ったり負けたりがサッカーの醍醐味の一つであることは間違いありません。 しかし、サッカーの本質は試合結果では無いと考えています。 この考えに至った理由は、 試合結果をサッカーの楽しみの中心に据えてしまうと幸せの総量が減る と思っているからです。 そもそもサッカーは勝ちにくいスポーツ2023年にグアルディオラがプレミアリーグ最速で200勝をあげました。 200勝するために要した試合数は269試合 勝率は74% これは異次元に高い数字です。 200勝するまでの試合数が少な

        • #10 ビルドアップを成功させる方法:トラッキングデータから見る攻撃のヒント

          ビルドアップを成功させることは簡単ではない なんてことはサッカーに関わる多くの人が知っています。 ポジショナルプレーを理解して落とし込めれば成功確率は上がるはずですが これをやれば絶対うまくいく! という方法は無いでしょう。 なので、成功確率を高めるためのヒントをかき集めていく作業が必要になります。 そのヒントの一つになるのでは?という論文を見つけたので 今回はその紹介です。 ただ論文を紹介するだけだと面白くないので この記事では実践との関わりも求めて 『ポジショナル

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          #9 攻撃にはいつ、どのくらい人数をかけるべき?【サッカーにおけるPA内侵入に関する一考察】

          サッカーで勝つためには、得点をあげることが重要です。 サッカーでは2点取ると勝つ確率が負ける確率よりも高くなるとされています(アンダーセン・サリー,2014)。 そのため、勝ち点をとるために目標となる得点数は2点となります。 では、どのように得点をあげるのか。 以前の記事で書きましたが、サッカーでは得点の70%程度がPA内からのシュートによって生まれています。 ということは、PA内でいかにシュートを打つかが得点をあげるためにはとても重要になります。 そこで今回の記

          #9 攻撃にはいつ、どのくらい人数をかけるべき?【サッカーにおけるPA内侵入に関する一考察】

          #8 スモールサイドゲームの人数がゲームに与える影響とは?人数設定別オーガナイズの効果の検証

          現場でよく行われるトレーニングである スモールサイドゲーム(Small Sided Games: SSGs)。 時間・人数の管理が比較的容易なことから、ピリオダイゼーションの中でもよく扱われます。(ピリオダイゼーションについては下記2冊読めば理解が進みます。名著。) ある程度手軽にできる一方で、人数の設定やコートサイズなどのオーガナイズに困ることもあるのではないかと思います。 この記事では、人数の変化がゲーム様相にもたらす変化について検証した論文をもとに、スモールサイド

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          #8 スモールサイドゲームの人数がゲームに与える影響とは?人数設定別オーガナイズの効果の検証

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          #7 複数のスポーツを体験することで得られる子どもの運動能力向上効果

          子どもがスポーツを行う場合、 早い段階で種目を限定するよりも多くのスポーツに触れる(マルチスポーツ)方が良い ということが言われています。 今回の記事は マルチスポーツが運動面では具体的にどのような効果があるのか を検証した論文の紹介です。 論文内容紹介する論文 Popović, B., Gušić, M., Radanović, D., Andrašić, S., Madić, D. M., Mačak, D., ... & Trajković, N. (2020).

          #7 複数のスポーツを体験することで得られる子どもの運動能力向上効果

          #6 たくさん走れば勝てるのか?サッカーの走行パフォーマンスを科学する

          以前の記事で 「サッカー選手は90分のうち2分しかボール触ってない」という説について について考察しました。 では、残りの時間は何をしているのか? 当たり前ですが、立ち止まっているわけではありません。 基本的にはボールの位置を基準に走っています(速い、遅いは別として)。 では、一体どのくらいの距離をどれくらいのスピードで走るべきなのでしょうか? 今回は、サッカーにおける走行パフォーマンスについてゲーム分析的観点から科学的に掘り下げます。 ゲーム分析的に見た走行パフォー

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          #6 たくさん走れば勝てるのか?サッカーの走行パフォーマンスを科学する

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          #5 サッカーのスタッツは試合内容をどの程度表している?【データ分析の考え方】

          今は多くのデータ会社があり、サッカーでも放送中にデータが映し出されることもよく見るようになりました。 JリーグではJ STATSがあったり、データスタジアムのようなデータ会社がデータを公開したりしています(Football LAB)。 Football LABでは項目と定義についても記載しています。 このように、トップリーグとなるとそこそこの項目数が公開されます。 たくさんデータがあってすごいなーと思う一方で どう解釈すればいいの? と思う人もきっといると思います。

          #5 サッカーのスタッツは試合内容をどの程度表している?【データ分析の考え方】

          #4 「サッカー選手は90分のうち2分しかボール触ってない」は本当?

          サッカー選手は1試合(90分)を通してボールを触る時間は2分程度。だから残りの88分のボール持ってない時間もめちゃくちゃ大事。 サッカー経験があったり、指導に携わっていたり、数字が好きだったりすると、この言説は聞いたことあるのではと思います。 私も指導や授業でたまに使います。 しかし、ふと これって引用元なんだっけ? と思ってしまいました。 常識のように扱ってきましたが、エビデンスが明確でないのに使ってるのは大学教員的に良くないと思い、ちゃんと探してみました。(余

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          #4 「サッカー選手は90分のうち2分しかボール触ってない」は本当?

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          #3 スポーツにおける良い指導者・コーチになるための重要な2つの観点

          「良い指導者(=コーチ)になりたい」 という指導者の方は世にたくさんいると思います。 しかし 「良い指導者とは何か?」 という問いに対して明確な答えを持っている方は多くないのではと思います。 唯一無二の答えは無いですし、無くて然るべきです。 ただ、以下に挙げる2つの観点はとても重要です。 選手の「できること」を増やす 「できること」の質を高める これらは指導の本質で、このことを理解していないと「良い指導者」にはなれないと考えています。 今回の記事では以上の

          #3 スポーツにおける良い指導者・コーチになるための重要な2つの観点

          #2 サッカーの分析ミーティングの効果を最大化する方法を考えました【記憶に刻む】

          分析ミーティングを頑張ってしたのに あれ、全然伝わってない? とか さっき言ったのに、、 のように感じることがあったりしますよね。 こんな時はもしかしたら 意味を伝えきれない=記憶に残らないミーティングになってしまっている かもしれません。 記憶の特徴として 意味のないものは記憶が難しい 意味のあるものは記憶に定着しやすい があります。 ミーティングを行うということは、内容的に意味がないということはまずないでしょう。 しかし、その意味が選手に伝わらな

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          #1 ポゼッションvsカウンター論争に終止符を打つ

          サッカーで勝つには圧倒的ポゼッションが必要 現代サッカーではカウンター主体じゃないと勝てない みたいな論争は今でも根強くあると思います。 特に今(2024.8.8時点)のJリーグでは町田ゼルビアが首位に立っていることで再燃している気がします。 そこでこの記事は 科学的に見たらその辺どうなの? という観点で書いてみました。 ポゼッション派の方も、カウンター派の方もぜひ読んでみてください。 ポゼッションとカウンターの定義ってどうなってるの?定義に関して、論文上では大きく分

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