バスタオルで空は飛べるのか?
長男「お父さん!何か大きい布みたいなものない!?」
子供たちが、駆け寄ってきた。
自分「んー。ないなぁ。何に使うの?」
長男「あのね、空を飛ぶんだよ!マントにしてさ!」
... いろいろとツッコミたい気持ちを抑え、続けた。
自分「マントにするなら、バスタオルはどうかな?」
長男「バスタオル使って良いの!!?ガムテープ使いたいんだけど!」
え、ガムテープはちょっと。。。
自分「オッケー、それなら洗面所の棚の上に古いバスタオルがあるからそれを使っていいよ。お父さんとってあげようか?」
長男「大丈夫!踏み台使うから!ありがと!!」
次男「お兄ちゃん、踏み台持ってきたよ!」
弟が踏み台を用意し、兄が踏み台に乗って手を伸ばす
長男「とれた!」
なんとか棚の上からバスタオルをゲットしたはずだった
次男「お兄ちゃん!これ、バスタオルじゃないよ!小さい!」
なんと。。。すまん、大きめのフェイスタオルだったかも。
そんな会話が聞こえたので、どうしようかと考えていると。
長男「大丈夫!これできっと飛べるよ!」
と、謎の自信を見せる兄。
次男「そうだね!お兄ちゃん!やってみよう!」
と、行動派の弟が同意。
ふたりはタオルとガムテープをもって寝室に向かっていった。
小さいタオルをマント代わりに、押し入れから積み重ねた布団にジャンプを繰り返すふたり。
ゲラゲラ笑いながら楽しそうに遊んでいるのを、しばらく眺めていた。
あとで、お風呂で聞いてみた。
自分「今日さ。結局、空は飛べたの?」
長男「うんとね、ちょっとだけ飛べたかな。一秒くらい!」
そう言って、はにかんだような笑顔を見せた。
布が欲しいと相談を受けた際に、大人の解釈で水を挿していたら、この笑顔を見ることはできなかったと思った。
大人はわかってる、バスタオルで空なんか飛べないことを。
だからこそ、大人は気をつけなければならない。
大人の常識に囚われた何気ない一言が、子供たちの経験や楽しみを奪ってしまうかもしれないことを。
「そんなのできっこないよ。」と否定するわけでもなく、「絶対飛べるよ!」と思ってもないことを言うでもなく、キラキラした目を信じ、ただ見守ればいい。
そんな当たり前のことに気付かされた出来事だった。
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