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【毎週ショートショートnote】数学ダージリン

※こちらの企画に参加しています!


 「数学ダージリン」なる茶葉を仕入れたと姉が言う。帰宅した姉は小さな包みを提げており、「これなんだけど」
と言った。おそらく姉の経営する店に新商品として並ぶのだろう。それにしてもどこが「数学」なんだろうか。

「飲んでみない?」

 カップに注がれた紅茶の液面を覗き込むと、なんの変哲もない紅茶の香りがする。

「ミルクを入れると薄まる」と姉が言う。「砂糖を入れると濃くなるの」

「何が?」
「数学ダージリンが」

 私はミルクを入れてそれを一口飲んでみた。するとどうだろう、さっきまで意味不明だった参考書の公式が頭に染み込んでくるではないか。

 猛烈にペンが走る。ルーズリーフじゃ足りなくて、机の上まで数式が書かれていく。今なら何でも証明できてしまいそうだ。

「天才になっちゃった」
 姉に言うと、
「今だけだよ」とのこと。

 翌日、目覚めた私が見たのは意味不明な数字の列である。
「これが数学ダージリン」と姉が言った。

 なるほど、わからない。

(406文字)


【感想という反省会】

 むっ、難しい!!410字程度という制限の中でどこまで膨らませるかという話で、書いては削り書いては削り、残ったの……これだけ!? 頭の中の設定とか全然生かしきれなかった。ショートショートとは奥深きものなり。

 初参加でした、ありがとうございました!

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