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101.世界へ挑め!~創業2年で国内トップを獲った、日本発メガベンチャーの創業者の基準~


ごきげんよう。

前回、
空飛ぶクルマのニュースと、
それに取り組む企業のことを書いていて、
ふと思い出した
起業家かつ経営者の方がいたので
今回はその話をします。


世界トップのドローンサービス企業の創業者

今回紹介するのは、
Terra Motors(テラモーターズ)株式会社と
Terra Drone(テラドローン)株式会社、
2社の創業者である 
Terra Group(テラグループ)代表 徳重 徹さんです。

テラモーターズは、電動バイクの製造販売を行うベンチャー企業として2010年に創業、そこからわずか2年で電動2輪シェア国内No.1(当時)を達成しています。

その後、ドローン事業を手掛ける会社として
2016年に設立されたテラドローンは、
昨年2020年の2月には「ドローンサービス企業 世界ランキング2020」
において「世界トップ」の評価を獲得しています。

とんでもない成果ですよね。

ところが、です。


見ているところの高さ

徳重さんやその会社のことを知ったのは
ひょんな機会からだったのですが、
そこからネットで公開されているインタビューや対談をみて、
そのビジョンの大きさ、見ているところの高さに衝撃を受けました。

あえてリスクを冒しながら、テラモーターズをアップルやサムスンを超える日本発のメガベンチャーに育てること。それが僕の目標です。

※)adecco group ホームページ内コンテンツ「Vol.38 インタビュー:テラモーターズ株式会社代表取締役社長 徳重徹さん」 より
僕は、やっぱり今生きている人でいうとシャオミ(小米科技:家電メーカー)の雷軍(レイ・ジュン)とイーロン・マスクが好きで、同じ年齢なんですけど。僕は、日本ではクレイジー呼ばわりされていますけれど、彼らに比べたらまだまだひよっこだと常に思っています。どこを基準にするかで全然違いますし、「EV(Electric Vehicle:電気自動車)、大変ですね」とか言われても、もうイーロン・マスクなんてもっとすごいわけですよ。宇宙までやってるわけですから(笑)。

※)ダイヤモンドオンラインの記事「年齢は関係なし。起業家として成功できるかを分ける3つのポイント」より

創業2年で国内シェアトップとか、
続くドローンでは創業4年で世界トップとか
とんでもない成果だと思うのですが、

その背景にあるのは
どこを見ているか、誰を見ているか
(徳重さんの言葉を借りると「視座の高さ」)
なんだな、
と思ったのでした。

日本人は考え過ぎ!?~蛮勇を奮え!~

もう一つ、
徳重さんの話のなかで印象的だったのが、
「考え過ぎず、まずやってみる!」ということです。

上で引用したダイヤモンドオンラインの記事の対談の結びで、
「起業してやっていける人・そもそも向いていない人とか、そういう才能や性格などの個人差はあると思うか」
という質問に対し、
徳重さんはこんなことを言われています。

適性とかあるとかないとかもちろんあると思うんですけど、何が日本人の問題かというと、とにかく考えすぎなんですよ。考えすぎて動けない。とにかく、よく僕も言ってるんだけど、若ければやってみたらいいんですよ。で、やってみたら、いろんな悔しい思いをすることもある。でも、その経験から見えることも多いんですよね。やっぱり人間って何だかんだと言っても強いので、リカバリーもできると思っていますし、とにかく、僕も海外をいろいろ周っている中で比較すると、日本人は考えすぎなんですよ。考えるっていうのは、いいこともあるんだけど、ちょっとtoo muchな気がします。

まずやってみることが大事だし、
失敗や悔しい経験から学べることは多い
とは、僕自身も体感があります。

だからこそ、
「そう思うならもっと挑めばいいじゃないか、
  挑戦の数もスケールも全然やな」
と、自分に対しては思ってしまうのですが…(笑)

ただ、徳重さんは
決して日本人がダメとは
言っていないのです。

また別のインタビューでは
こんなことを言われています。

一方で日本人はどこにいっても非常に人気があります。基本的に信頼できるし、個人個人は能力が高いと思われています。ただ、さきほどのリスクを取らない、アクションできない、色々考えすぎっていうのはダメなのです。
簡単に言うと優秀な日本人にバイタリティとか蛮勇さというのをアドオンすれば、僕は世界最強のビジネスパーソンになると思っています。あの大前研一さんも「アジアで事業やるなら蛮勇を持て」とおっしゃっていました。

※)ビジネスコミュニティ FASTGROW の記事『日本人には“蛮勇さ”が足りない!テラドローン徳重が体感した、世界で勝つ起業家の思考回路とは』より

蛮勇…!
あんまり使う機会のない言葉でしたが、
それくらいの基準でチャレンジすべし、
ってことですね!


起業の基準、働き方の基準

一方で、
やるからには
どれくらい"やる"
べきなのか、
それについての話もあります。

目指すべきビジョンは壮大ですが、日々の経営は非常にシビアに経営しています。

新しい事業領域は、「本当に事業になるのか」をポジティブな側面と現実的な現場からの視点との両面から考えなくてはなりません。起業家はどうしてもポジティブな面ばかり見てしまう人が多いのですが、理想を現実に徹底的に落とし込むプロセスを経て、戦略を進化させることが必要です。

※)Amateras Startup Review CEOインタビュー『挫折失敗を重ねながらも結果を出して、初めて価値を持つ』より
ベンチャーで、大企業と同じような働き方をしていたら、それは勝ち目がない。だいたい人数が少ないのだから、一人ひとりが、大企業の社員の何倍もの速度と密度で働いて、ようやく飯が食えるのだ。
(中略)
ものすごい緊張感のなか、次々と出現する課題に必死で対応していると、人は際限なく進化していけるのだ。
彼は偶然に仕事ができるようになったのではない。徹底的に「量」を積み重ねた結果、あるときそれが「質」に転化したのだ。

そして、それはかつてシリコンバレーで私が経験したことと同じだ。
彼らはみな、世界で成功することを目指しているし、そのために持てる以上の力を発揮するのは当然だと思っている。そんな彼らに追いつくためには、彼らの二倍の質で、二倍の量を働かざるを得ず、その蓄積こそが自分を徹底的に成長させたのだった。
※)徳重さんの著書『世界へ挑め!』(フォレスト出版)より

ビジョンは壮大に持ちながらも、
事業戦略はシビアに徹底的に。

そして、圧倒的な速度と密度で「量」を積み重ね、
そこから「質」を上げていく。

失敗上等、まずやってみるのが大事、
だけど、やるからにはこれくらいやる。

正直、この辺を読んだときは
「うわー!」と思いました。

自分、あまりにも全然まだまだだわ。と。
どんだけ努力の余地あんだよ、って感じです。


最後に~どこを見ているか

私は、日本の企業もビジネスパーソンも、決して捨てたものではないと思っている。いや、それどころか、世界市場で戦えるだけの実力は、いまもって十分にあるといっても過言ではない。  
それなのに、世界で勝てない。
自信がないからみな萎縮して、力を発揮できないでいるのである。  
だからこそ、誰かが「野茂」にならなければならないのだ。
同じ日本人が世界という舞台で活躍する姿をみれば、それに刺激を受け、あとに続く人間が必ず現れる。すると、さらにそれをみて、われもわれもと新たな挑戦者の輪が広がっていく。そういう好循環が起こればしめたものだ。世界は日本人の底力にあらためて一目置くようになり、日本人は失われた自信を取り戻し、この国は再び活気に包まれるようになるだろう。  
野球やサッカーのようなスポーツ界は、すでにそうなりつつある。だが、ビジネス界にはまだ野茂のような牽引者が、残念ながら見当たらない。

だったら、私が、その役目を引き受けようじゃないか。

上記は、徳重さんの著書『世界へ挑め!』の前書きの一部なのですが、
ここを読んだときは本当に震えました。

見ているところのスケールが違う。

どこを見ているかで基準が変わる、
というのは、実は
色々な場面で何度も教わったことだったりしたのですが、
本当にパワフルだな、と強く思いました。

それと同時に、徳重さんのたとえ数十分の一かの規模だったとしても、
自分の最大限のビジョンを掲げ、
そしてそれに見合うだけの挑戦と努力をしよう

そう、決めなおす体験でした。

テラモーターズのホームページには、
こんな文言が書かれています。

さあ、ともに世界を驚かそう。

気になった方は、ぜひ一度覗いてみては
どうでしょうか。


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