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エモさのある映画評

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2018年5月の記事一覧

【エモい映画評】「そして父になる」に見る「親」と「子」、人間の肖像

2013年に書いた映画評がPCのなかで眠ってたのと、是枝さんがとうとうパルムドール賞を受賞したので、その記念に。 是枝さんの作品のよさは、家族関係とか、人間関係をさまざまな角度でみているところだとおもってます。今回の受賞を機に、是枝さんの作品を見るひとが増えれば、人生をもっと大切にするひとが増えるのではないかと。すこしでもそのお手伝いができたらなとおもっています。 とくに、これから親になる人。 ぜひこの作品を見てみてください。ちょっとネタバレが入っているので、作品を観て

【エモさのある映画評】ジ・エクストリームスキヤキ

とても不思議な作品だった これほど余白のある作品は初めてかも知れない。 「人が生きる、暮らす」という点で相当なリアルさを感じた。 会話が台詞がかっていないのだ。 「やたら長ったらしい会話をダラダラと」と一蹴する人もいるだろう。 しかし、この作品にはそこに価値がある。 「客に見られるもの」として、体裁を整えた会話には伺え得ない「リアル」。それに価値があるのだ。青春と言えば青春映画とも言えるだろう。しかし、本作にはそんなくくりをする事自体が非常にナンセンスだ。全体に流れるアンニュ

【ネタばれしない映画評】ベティブルー

フランス映画を観てみたいと思い、 ただなんとなく手にとったのが「ベティ・ブルー」だった。 冒頭からのセックスシーンはとても野性的で、 人というよりも生き物と言う方がしっくりくる感じの交わりだった。 「何だかとんでもないものを借りてしまったかな。」と感じたが、観終わった後には手元に置いておきたい作品だと胸を張って言える。 はじめのうちはセクシャルな表現が猥雑であるというオブセッションにとらわれていたけど、観ているうちにそれが普通なことになってくるのだ。 (ベティの猟奇性は、性