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なぜ、村・留学アカデミーを作ったのか。


村・留学アカデミーのロゴマーク

村・留学アカデミーのサイトはこちらから

2023年4月4日 「村・留学アカデミー」を公開した。
このnoteで、僕はなぜ村・留学アカデミーを設立しようと考えたのかを人間らしいところから、本心で書きたいと思う。

私は地域の専門家ではないという事実

村・留学は2012年にスタートしたプロジェクト。最初の2年間は主催し、地域に学生を連れて行っていた。2年目の村・留学中にふと気づいてしまった。
僕はなぜ、ここにいるんだろう。。。)
地域のことを知らないのだ。人も自然も。何も知らないのだ。ということに気づいてしまった。今から考えれば当たり前のことだったのだが、当時はひどく落ち込んだ。

地域の専門家は地域の人、僕は教育だけの専門家だという事実

改めて書いたら当たり前すぎることに気づいた。僕にできることは事務局的な役割だと気づいた。村・留学という概念を地域主催者に伝え、学生に伝えそれだけが僕の役割だった。僕は、焦らず地域で主催をしてくれる人との出会いを待つことにした。結果的に2014年はお休みすることになった。

なんのためにやっているかわからなくなった

 2015年から地域主催者と事務局(僕)という関係で仕組みを作り直した。この時から、主催者と村・留学生との関係構築に邪魔になるからと考え、現地には赴かず、村・留学の事前事後のみを実施する人になっていった。
 村・留学は事前研修を実施する。昔は1日かけてリアルで行っていた事前研修も時代が進み、オンラインで事前研修も行えるようになっていった。全国の大学生が参加する村・留学であるため、オンラインの方が都合が良かった。
 気づけば、僕は村・留学生と一度も会うことがなく村・留学が終わっている状況になっていた。村・留学は僕の価値観をそのままプログラムにしたような僕自身の分身のようなものだ。事業に魂を入れていると言っても過言ではない。そんな村・留学にエントリーをしてくれる人、期待して申し込みしてくれる人がいるたびに、大はしゃぎする。それは今も変わらない。
 ただ、村・留学生にとってはそうではなかった。当たり前のことなのだけど、僕と村・留学生は一度も会うこともないため、どんな人なのか、どんな顔をしているのか、何を考えているのか、どんな性格なのか、どんな夢があるのか、何一つ知ることもできず、知らないままに終わっていってしまっていた。もちろん、村・留学にエントリーしてくれた人にとっても同様なのだろう。会ったことがないのだから。一体、何のためにやっているのだろうか。と葛藤だけが残っていた。

地域の専門家ではないからこそ、地域に住み自分が主催したいとまで思うように

 どうしようもないと思っていた。地域資源の専門家じゃないのだから。ただただドキドキしながらlineのやり取りを眺めているだけだった。
 地域の専門家になりたいと何度も思った。自分自身が村に移住し村・留学を主催して村・留学生を迎えたい。未来を夢を語り明かしたい。でも、現実的ではなく、小さな願望として残っているだけだった。

持続可能社会のためこれからの暮らしと社会を考える人達へ


村・留学の研修でも、エントリーのメールに返信する時にも必ず、この言葉を入れるようにしている。これが村・留学のコンセプトであり、誰のためのものかを明らかにする概念だからだ。地域主催者にも、村・留学は地域のためのプログラムではなく、未来のためのプログラムだと伝えさせてもらっている。共感してくださった方のみが地域主催者として関わってくれている。
ありがたいことだ

追跡調査が教えてくれたこと

僕は2021年から同志社大学大学院総合政策科学研究科総合政策科学専攻ソーシャルイノベーションコースという日本一長いんじゃないか?と思うところに入学し、研究することになった。ありがたいことだ。研究テーマは右往曲折ありながらも、村・留学を選んだ。2015年〜2017年に村・留学に参加してくれた人のうち10名程度に協力してもらい、1時間程度のインタビューを行った。
 インタビューの中で、口を揃えて「冊子の制作」について話をしてくれた。2015年〜2017年は「村る」という冊子を制作していた。毎週火曜日にPaKTのオフィスに集まって朝方まで冊子を作っていた。この時の影響が今の暮らしに影響していると教えてくれたのだった。(こちらは修士論文になる予定。お楽しみに…)

コンセプトは本当に達成できているのか

今の9日間の村・留学は本当に持続可能社会のためこれからの暮らしと社会を考える人たちのためになっているのか。
 僕が出した答えは、なっているかもしれないし、なっていないかもしれない。(わからない。関係性がないのだから、聞きようがない。安っぽいアンケートをしても意味がないと思う。)
 
というものだった。追跡調査での気づきを得て、より持続可能社会のためこれからの暮らしと社会を考える人たちのためになるプログラムにすることはできると直感的に思った。そこで、村・留学のモデル図を改めて書いてみることにした。

砂時計・S字モデル

村・留学のモデル図
  • 砂時計の上下は広さを表している。村・留学は未活用である地域資源の一部を教育資源に変える取り組みである。また、社会全体は大きいが、その一部から持続可能な社会を作り出す取り組みである。

  • S字は人の流動性を示している。持続可能社会への豊かな価値観を得た若者が地域資源の関係人口となる場合もあれば、持続可能な社会を作り出す原動力になることも期待している。

気づけば説明会を開いていた

この砂時計・S字モデルに向かうためには、もっとできることがあるんじゃないか。そうだ!もっと僕が働けばいい。「6ヶ月」と最初から期間を設ける。今より村・留学で学べるようにカリキュラムを設計できるし、学んだことを応用できるようにもできる。
 そんなことを思い出したら、気づけばその日中(3月16日)に説明会の開催をお知らせするページを作っていた。初日の説明会では、「村・留学アカデミー」という固有名詞すらなかった。そんなアイデアがなかったから。最終日の説明会の日の朝(3月28日)に「アカデミーだ!」と閃いて、急遽説明会資料に「村・留学アカデミー」という文字を記載した。

村・留学アカデミーは5月2週目からスタートする。毎週ゼミ活動だ。平日の夜にアカデミー生たちと学んでいく。伝えたいこと、一緒に学びたいことは山のようにある。6ヶ月の伴走は、関係性を作るだろう。どんな人なのか、どんな顔をしているのか、何を考えているのか、どんな性格なのか、どんな夢があるのかを話しながら、感じながら共に学べる日が楽しみだ。必ず、より持続可能社会のためこれからの暮らしと社会を考える人たちにとって意味があるプログラムになる。

いろんな地域資源の専門家は協力してもらいたい。ぜひ、ゼミで話をしてもらいたい。もっともっと良くできる気がする。未来のために。

村・留学アカデミーのエントリーをお待ちしています。


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