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骨太コンセプトの酒場が最後は残る~生き残る店の特長

膨大な軒数の居酒屋を取材したことで、だんだんと「続く店」、「淘汰される店」の傾向が見えてきました。

帝国データバンクによると、2023年の居酒屋・カフェ倒産件数は過去最多。そもそも需要に対して店が多すぎると言われている居酒屋ですが、さらに酒類を含む仕入れコストの高騰、人手不足など、コロナ禍以前よりも経営環境は厳しさを増しています。それでいて利用者は、コロナ前の水準で"コスパ"をみてくるため、増加したコスト相当の値上げをすることは難しい。3年で7割が閉店する飲食業界で生き残るのは、非常に難しいことです。

私が好んで紹介している新進気鋭の家族経営の店、大手飲食会社が生き残りをかけて開発した新業態、家族経営で2代目、3代目が切り盛りする店は、このわずか3割を乗り切った酒場です。

家族経営の店は身内でやれるから人件費がかからないし、店によっては持ち家で家賃もかからないじゃないかと言う人がいますが、それでも、ここ5年でそうした家族経営の店が膨大な数、消えていったことは事実です。

今回は、居酒屋を商売としてみて、成功例・失敗例を整理してご紹介したいと思います。といってもコストや人材という経営の話ではなく、ここではメニュー構成やコンセプトについて話していきます。

なお、最近のトレンド予想については下記のインタビュー記事に書かれていますので、よろしければそちらもご覧ください。

【◯】真似できそうでできない看板料理があるパターン

続く店=成功する店で、最も重要な要素は看板料理だと私は考えます。

「居酒屋料理なんて料理人なら簡単に真似できる」とは言いますが、ストーリーのない丸写しは美術の教科書に印刷された名画と同じです。

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