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【なぜ!?】赤星が15年で3倍増のワケ
人口減少、世界的な若者の酒離れ、ビール離れ、物価高騰による外食頻度減少と、これまでにないほど逆風に晒されているビール業界の中、サッポロビールの定番銘柄、「サッポロ生ビール黒ラベル」や「サッポロラガー」の成長が加速しています。位置づけを再定義した「ヱビス」ブランドや、同社のビール愛の塊とも言える「エーデルピルス」「白穂乃香」、そして、北海道生まれのホップを使った「SORACHI 1984」を含む、ビールカテゴリーの売上は2024年の成績で、前年比107%を記録しました。
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黒ラベルに限っては、この10年間で約1.9倍にまで伸びており、しかもその要因は古参のサッポロファンに加え、Z世代からの支持が大きいとサッポロビールは分析しています。
また、北海道限定のサッポロクラシックは過去最高売上を記録するなど、明るい話が続きました。
そんなサッポロが、飲食店でどのような位置づけとなっていたのか考えてみます。黒ラベルの成長は家庭向けの缶の数字も大きい。そこで注目したいのが、主に居酒屋向けのビールである、赤星ことサッポロラガーの売上です。
サッポロラガーは、なんとこの15年間で販売量が3倍にまで拡大しています。2024年の数字でも、2023年比で121%増と成長が止まる気配はありません。
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北海道開拓の中心となる産業のひとつとして、国営の北海道開拓使醸造所が設置された翌年に登場したサッポロラガービール。キリンやアサヒといった歴史ある他のビールメーカーの主力ブランドをおさえて、現存する日本最古のビールブランドの称号を持っています。
そんなサッポロラガービールですが、実は昭和以降、2度の発売休止を経験しています。一度目は第二次大戦中。そして二度目は記憶に新しい東日本大震災です。
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