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アニサキス症 (Anisakiasis) について

1. 定義
アニサキス症は、アニサキスという寄生虫の幼虫が生魚や未調理の魚介類を介して人体に感染し、胃腸に侵入することで引き起こされる。

2. 原因
・アニサキス幼虫:主にサバ、イカ、サケ、ニシン、タラなどの魚介類に寄生している。
・生食:刺身、寿司、マリネ、未調理の魚介類などを摂取することで感染。

3. 症状
・急性胃アニサキス症:
 ・食後数時間から数日以内に発症
 ・激しい腹痛、悪心、嘔吐
 ・胃の痛みが中心
・急性腸アニサキス症:
 ・食後数時間から数日以内に発症
 ・腹痛、下痢、腹部膨満感
 ・小腸や大腸の痛みが中心

4. 診断
・臨床評価:食事歴と症状の確認。
・内視鏡検査:胃内視鏡でアニサキス幼虫を直接確認。
・画像診断:腹部超音波やCTスキャンで腸壁の浮腫や肥厚を確認。
・血液検査:特異的ではないが、好酸球の増加が見られることがある。

5. 治療
・内視鏡的除去:内視鏡を用いて胃や腸のアニサキス幼虫を直接除去。
・対症療法:鎮痛薬や制吐薬の投与。
・自然排出:多くのケースではアニサキス幼虫が自然に排出される。

6. 予防
・調理法の工夫:
 ・加熱:アニサキス幼虫は60℃で1分以上の加熱で死滅。
 ・冷凍:-20℃で24時間以上の冷凍で死滅。
・生食の回避:リスクのある魚介類を生で食べるのを避ける。
・調理の注意:包丁やまな板を清潔に保ち、他の食品への交差汚染を防ぐ。

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