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酒屋八兵衛×手取川×秋鹿〜山廃編〜

昨日は第二回酒屋八兵衛の会👏
八兵衛等を醸す三重県元坂酒造の元坂さんです!

第一回の時に少しお話に上がった山廃をテーマに手取川等を醸す石川県の吉田酒造、吉田さんにゲストとしてお越し頂き座談会を開催しました✨

因みに第一回の会の内容はこちらからチェックできます。
https://note.com/syunraisyunrai/n/n978d172daa7e

するとなんとここでゲリラゲスト!!
大阪秋鹿酒造の奥さんも参加してくれましたーー‼︎😳

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うぉー、豪華!!そしてこれは三者三様のお話が期待出来ますね!!!

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それぞれお酒を手に乾杯!!🍶
座談会スタートです〜


*先ず山廃はどんなもの?なぜ山廃造りを?

元坂さん: 八兵衛のコンセプトとして"一杯の感動よりも一晩の安らぎ"というものを抱えており、飲み飽きのしないお酒造りをモットーにしています!

そんな八兵衛のコンセプトに向いているのがその山廃造りである。山廃で育てられた酵母菌は色んな雑菌にいじめられ通常よりもタフです!醪の発酵段階でアルコールによって酵母菌が死ににくいのです!

酵母が死ぬと…アミノ酸が増えて酒が重たくなります。重たいお酒はずっとは飲んでいられませんよね?ということは強い酵母菌を育てられる山廃は飲み飽きしないという八兵衛の酒造りのコンセプトにマッチしているということ🙆‍♀️

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山廃それは、育ての製法!!

速醸造りを例えるならレトルトカレー。味は安定していて美味しく、短期期間に出来上がるが想定内の味わい。

一方山廃はスパイスカレー。スパイスから調合するから時間も、手間も掛かるし難しいけど育てていて楽しいし独自性もでる!!


吉田さん:元坂さんと近しい部分もある吉田酒造。
酒のコンセプトは"寄り添うお酒"ご飯や普段の生活に寄り添った主張の強くない、飲み続けられるお酒を目指しています!

山廃は自然の菌のバトンパス!!

吉田酒造ではUというシリーズのお酒を造っており、優しいの優(ユウ)を表しています。

こちらはナチュラルな発酵で酸味もボディも軽めなものを造っており、山廃の柔らかい酸味と旨味を上手に使い、心地良い料理に合うお酒に仕上げています!!

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加えて石川県は山廃大国と言える程山廃造りが盛んです。そうした地元背景も影響していると言えます🙌


奥さん:旨味、乳酸の酸のインパクトは絶大。
最初飲んだ時には「ん!?」とびっくり
するようなインパクトのあるお酒。正直万人ウケするお酒では無いし、ずっと飲むとしんどくなるタイプだけど(笑)"ここに帰ってきたくなるようなお酒"を目指してます!

想定外のモノを造りたい

奥さんの経験上、下手くそに作ると想定外の(美味しい)モノが出来ることが結構多い!!"あんなに調子悪かったのにめっちゃ美味しく仕上がってるやん!"という感じです🤩
逆に神経質に育て過ぎると想定内の味わいになってしまい、求めているものとは異なり面白くない!

山廃に関しては操りすぎず、自然になるようにさしている。なるようなる精神で取り組んでいます!!又、秋鹿酒造さんでは自営田にも取り組んでおり、米作りにかなり力を入れています🌾

その年々によっての米の調子で造りを調整する酒蔵さんも多い中、造りの調整はほぼ行わなず、その年に出来たお米がその年のお酒の味わいを決めている!それでいい!!

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いやー!それぞれ違った考え方や想いが本当に面白いですねー🤣


失敗体験談💥

そんな魅力的な山廃造りですが、元坂さん、過去にはこんな大失敗も…

蔵に戻って2〜3年目頃、初めて酒母の担当になりました。すると泡なし酵母なのに酒母に出るはずの無い泡が出てきた…山廃なのでそういうこともあるのかと酒母に蒸米、水、麹を何回かに分けて入れて仕込みを行う(これが醪)!!しかしその原因の正体はなんとキラー耐性酵母👿

キラー耐性酵母とはアルコールを作り出すのに必要な清酒酵母を殺してしまう酵母!発生した山廃仕込みの両隣の醪のタンクにまで菌は増殖し、その2タンクのアルコール発酵がストップしてしまい、アルコールを添加して本醸造にするしかないという大事件が…!!!

そんな中3タンクの内、山廃仕込みのタンクのみが目標のアルコール度数と日本酒度まで達したため(山廃の酵母は生き残った!!)搾ってみるととてもではないが出せる状態では無かった。

ところが、その失敗作を3〜4年程、蔵で寝かせてみたらなんと!歴代の山廃の中でも一番の美味しい味になっていたそうです!!!👀

これぞ、秋鹿の奥さんの言う想定外の味が生まれる理論に通じてる!途中まで調子が悪かったのに良くなってる!!ということですね👌


手取川、吉田さんにもこんな失敗はあります。吉田酒造では山廃として出すお酒の許容範囲が狭めということもありますが、理想の数値にいかなければアルコール添加をして本醸造にしてしまうことも。

いかに山廃仕込みがデリケートで難しいものかわかりますね。

吉田さんが蔵に入って10年目、ここ最近はやっとお米の個性を表現できるようになったが、もう少し遊びをしないとなーとも考えるこの頃!

これには元坂さんも同調!!

そんな二蔵の新たな挑戦👊


来年は狂ってやろうか!!
元坂さんが来年挑戦しようとしているのは手櫂!!💪

酒母を仕込むタンクには水、麹、米が入れられます。この時、麹が下に沈んでしまうので、全体を均一にする為に"櫂入れ"という作業を行います。

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元坂さん櫂入れ中の写真📷

上記の櫂入れは櫂棒という棒を使ってかき混ぜ、均一にさせている様子です!殆どの蔵はこのように櫂棒を使用しています!!

手櫂はその櫂棒を使わず腕まで突っ込んで自身の手でかき混ぜる方法💪

通常この時酒母の温度は5℃〜6℃そんな所に腕を突っ込んでかき混ぜるんだから冷たいなんてもんじゃない。痛いです!!手櫂を現在行なっている蔵はそう無いのではないでしょうか…

そんな方法を挑戦してみたいらしい元坂さん。いやー狂ってますね(笑)


吉田酒造も新しいチャレンジを毎年やっています!

neoシリーズ

20〜30代と若い世代の蔵人が多い吉田酒造。毎年チームを変えて造りたいモノを造ってもらうように取り組んでいます。それがneoシリーズ!!アーティストの感覚を大事に持って欲しいという想いがあります✨

一体どういったお酒があるのか…

地元米×金沢酵母×白麹(酸味のある麹)を山廃で仕込んだり

山廃のお酒を使った山廃仕込みの貴醸酒を造ったり

これが又良いのを造ってくれる!!杜氏さんの意見に偏らず蔵全体で酒を生み出しているのがわかります😊

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酒造りに対する愛情

今回三蔵に関して共通で感じたのが酒造りに対する愛情💓

酒造りはまるで子育て
前述でもあるように速醸はレトルトカレーとするならば、生酛や山廃はスパイスカレー。

時間も手間も掛かるし、難しい造り。

だけど手がかかる子程可愛いと言いますものね!山廃は乳酸をあらかじめ添加して酒母を育てる速醸比べると約2倍ほど時間がかかります。(約30日程)

その為、山廃の場合は乳酸菌が発生するまでに14日間程かかります。酒母完成から逆算するとそれでやっと速醸の1日目と並ぶのです。

しかしその二週間が楽しくて非常にドラマチックなのだ!!と声を合わせる!!☺️
この二週間くらいで中学生くらいまで育てた感覚なのです。良い友達(乳酸菌)と仲良くしろよ!!と。

この間に行われるのが暖気と言われる酒母を温めての発酵をお助けする湯たんぽのような容れ物を酒母の中に入れてグルグル。

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蔵にもよりますが、元坂酒造、吉田酒造では1日に2本、2時間ぐらいを場所を変えながら入れたりしています。

そんなお話を本当に楽しそうに語ってくれて子供(お酒)に対する愛情が感じれました☺️


ここで一旦酒屋さんのご紹介

今回お酒の会にご参加頂いた奈良県の登酒店さん!かなりマニアックな酒屋さんです。笑

登さんの凄い所はご自身の所で熟成さして登酒店ならではの味を出す。通常の酒屋さんでは短年度でお酒をとっていたりするが、ここではモノを見極めて長い目で見てお酒を育てています。

その手腕は酒蔵さんが登さんで育てた酒を飲んで改めて自分のお酒の魅力に気付かされる程!!

そんな登さんのイチオシセレクトがこちら!

八兵衛 山廃雄町の生
通常は火入れしか出していませんが、登さんにだけ特別生で出荷しています。それは登りさんならしっかり育ててくれるから!超レアです。

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秋鹿 山廃28BY
常温〜御燗がオススメ!甘味と酸味があって、火入れで熟成されたコクが落ち着いて良い感じ👍

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他にも凄いお酒が盛りだくさんです!

ネット販売も行っているので是非登酒店ならではの味わいを楽しんでみて下さい!!!!

https://www.nobori-sake.com/

さて座談会に戻りますよ〜!

それぞれの造る山廃のお酒に対する印象

元坂さん
手取川→個人的には手取川クラシックタイプの山廃が好み!
上っ面の山廃ではない安定感ある感じが良い。そしてUは新しい山廃という感じも又良し👌

秋鹿→中毒性のあるお酒!!秋鹿にしか出せない味があり、100人中ハマる人間は多くないかもしれないが、ハマった人の消費量は半端じゃない!

吉田さん
八兵衛→力強いけど心地良く入ってくる!透明感があって、土地の水や風を感じられるお酒!!

秋鹿→根っこを感じるエネルギーの強さがある。土の味をここまで持ってこれるのか!という感じ。自分の世界とは違う新しい世界を教えてくれるお酒!!

奥さん
八兵衛→山廃だけどスルスルと飲める!自分が造っている山廃のお酒とは違ったタイプ。秋鹿がニュアンスで説明するお酒だとすると八兵衛は言葉で説明のしやすいお酒!!

手取川→山廃のものによっての色がある!!手取川、Uの酒質的には飲みやすいけどこれをもっと激しくしたらどうなるのだろうと妄想を膨らませて飲んでいる!!

なるほど〜!中々他の酒蔵さんのお酒の感想を直接聞けることがないので良い機会でした🙏


山廃の魅力を一言😎

最後に皆さんに山廃の魅力を一言ずつ頂きました🤙

元坂さん 
多様性!日本酒はこうだという概念を壊すものであり、酒蔵がアーティストとなれる酒造り

吉田さん
自然の菌のバトンパス!発酵の神秘を感じられる。

奥さん
独特の酸っっっぱさ!!!笑


物凄くディープで楽しい会でした!!同じ山廃でも違った考え、感覚を持ってそれぞれが酒造りに励んでいるのが解り凄く勉強になりました👏

そしてマニアックなお話も参加頂いた日本酒初心者の方でも分かりやすいように噛み砕いた例えをして話して頂いたりで、非常に皆が解りやすい説明をして下さり…お三方本当にありがとうございました!🙇‍♀️


元坂新平さんによる〜元坂酒造オンライン蔵見学〜は4月26日(日)13時〜14時に開催致します。
是非!ご参加お待ちしております!!
詳しくは下記URLからご確認下さい👀
https://peatix.com/event/1458768


奥さんによる〜秋鹿酒造オンライン蔵見学〜は4月29日(水)11時〜12時に開催致します。

是非!ご参加お待ちしております!
詳しくは下記URLからご確認下さい👀
https://peatix.com/event/1459179

又、酒の会中にpaypayやnote のサポートによる投げ銭を頂いた皆様本当にありがとうございます😭引き続き宜しくお願い致します!!



記事を読んでイイネ!と思われた方、オンライン酒の会に参加して頂いた方、是非サポートとpaypayよる投げ銭を宜しくお願い致します。

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