躁と鬱の合間に
芽生える微かな苦しみが、膨らんでふくふくと実を肥やす。何処からともなく現れる悲しみに包まれて身動きができない。感情の鈍化が著しく、恋しさも愛しさも幾層の膜に閉ざされる。どうにもならない。立ち止まる。蹲る。苦しみの実は甘く、卑しい香りを放つ。自己憐憫という一種の中毒症に罹患する。居るはずのない他者の代弁をしてしまう。遠くに行きたい、自らの心が身から離れる所まで。光のような速度で瞬きとともに消えたい。そんな夢想に浸りつづける。心ばかりが醜く膿んでいく。
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