「要約力」の重要性と伸ばし方
最近、齋藤孝氏の「三色ボールペンで読む日本語」と野矢茂樹氏の「大人のための国語ゼミ」を読みました。これらの本で共通して強調されていたのは「要約力の向上は日本語力の向上につながる」という点でした。
この記事では、要約力を高めることによる利点と、要約力を向上させる具体的な方法に焦点を当ててまとめてみます。
※ 要約力とは、与えられた情報やテキストから重要なポイントや要点を抜き出す能力のこと。
要約力向上の利点
要約力を高めることによって、言葉の重要性への感覚が磨かれ、文章の効果的な理解スキルが向上します。
文章を読む際、多くの人が全ての文や言葉に同じ価値を置いてしまう傾向があります。しかし、実際には、文章内の全ての言葉が同じくらい重要ではないことがあります。
要約力を養うことで、言葉の本質的な価値を見抜き、素早くかつ正確に文章を理解する能力が向上します。
要約力向上のアプローチ
要約力向上のために、以下の2つの具体的なアプローチを紹介します。
三色ボールペン方式
三色ボールペンを使用して、次のルールに従って文章を要約します。
青:「まあ大事」と思う箇所に引きます。これは客観的な要約として重要な部分です。
赤:「非常に重要」と感じる箇所に引きます。これは要約において不可欠な最重要な部分です。
緑:自分が興味を持った箇所に引きます。
この方法を実践することで、文章に書かれた情報に意味を付け加え、読む際に情報を簡潔に整理する能力が向上し、要約力が向上します。
文章における枝葉の伐採
ここでいう「文章における枝葉」とは、筆者が中心的な主張に関連して説明、例示、補足、または脱線した部分を指します。これらの部分が重要かどうかを即座に判断するのは難しい場合に、以下の手法が役立ちます。
具体例は多くの場合に切り取ることができる
補足説明は多くの場合に切り取ることができる
横道への脱線は切り取る
繰り返しは適切なものを一つ残すか、自分で一つにまとめる
導入部は多くの場合に切り取ることができる(ただし、導入部には要約する際に非常に重要なことが書かれてある場合がある)
中心的主張に対する解説は基本的に切り取って良い
中心的主張に対する根拠はケースバイケースで判断する
まとめ
要約力を向上させることは、効果的な読解力を養うために重要なスキルです。これらのアプローチを実践することで、日本語力の向上に一歩近づくことができるでしょう。