「ルバーブ」って野菜?果物?
「ジャムの旅」を始めてから3年、行かなきゃ行かなきゃと思いながらも、なかなかタイミングが合わなかった食材。
「ルバーブ」
「ルバーブ」ってなんとも欧米っぽい響きでオシャレ。
でも実際、日本の食卓には並ばないし、どんな食材なの?
野菜?果物?って思ってる人がほとんどじゃないかな。
そんなオシャレなルバーブを作っているのは、長野県富士見にある「かぼちゃん農園」の五味一典さん。
趣味は大型バイクでツーリングとなんとも豪快なおじさんだ。
五味さんの専門は「赤ルバーブ」。
あっ、野菜です。ルバーブは。
真っ赤な茎の部分を食べるのです。
イギリスでは春の訪れを告げる野菜がルバーブと言われるほど、欧米諸国では広く栽培されている。
若い頃、私が働いていたベルギーやルクセンブルグのパティスリーでも、タルトやムースにしてショーケースに並べていた。
街のスーパーにも普通に売っていた。
ルバーブの特徴はなんと言っても「畑のレモン」と呼ばれるほど強烈な酸味。
生でかじると全身が震えるほど酸っぱい!
フランス人は仕込み中にボリボリかじっていたが…。
(よく食えるな、生で…)
しかし砂糖と一緒に火を入れると劇的な美味しさに変身する。
そう、ジャム作りにぴったりな食材なのだ。
まだ梅雨真っ只中の7月初旬。
「かぼちゃん農園」へ到着。
八ヶ岳の麓にあるルバーブ畑は大雨だ。
「ぜひ収穫を体験してほしい」
五味さんに言っていただけた。
長靴にポンチョ、大雨対策はバッチリだ。
茎の根本と先端を持って優しくまっすぐ引き抜く。
大きな葉っぱが覆い被さっているから結構大変な作業だな。
しかも大雨で足元がぬかるんでるから力が入りにくいぞ…。
収穫したルバーブは丁寧に水洗いして泥を落とし、風を当てて乾燥させたら袋づめに適した大きさに切り揃える。
五味さんが使っている木のまな板は、ルバーブの色で真っ赤になっている。
柑橘やりんごなどは収穫した量だけそのまま出荷できるけど、ルバーブは端を切り落とすから、収穫量の40%が廃棄になるそうだ。
大変な仕事だ…。
質の高い五味さんのルバーブは評判で、レストランやパティスリー、スーパーやふるさと納税からの注文が絶えない。
五味さん夫婦は毎朝5時から収穫作業に入るが、それでも1日25kgが限度だそうだ。
70歳を超えてなお、仕事に真摯に向き合うその姿は…とてもかっこいい。
今回はルバーブと旬が同じで、同じ長野で育ったスモモと組み合わせたジャムにしよう。ルバーブ入門編ということで、誰でも食べやすい味に仕上がったと思う。
もう毎日信じられない暑さ。でもルバーブの酸味が身体に心地いいのだ。
皆さんも身体に取り入れようね。美味しい酸味。
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