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天狗の台所と、肉ぶっかけうどん【34食目】
今週から来週前半までに仕上げなくてはいけない原稿が5本ある。確定申告もしなくてはならない。
しかし、腰が重い。今だにツラいのが執筆作業でありパソコンの前に座ることだ。
どうしたらご機嫌に執筆できるだろうか。誰か教えて😭
現実逃避はドラマ鑑賞
Netflixで『天狗の台所』を観ている。
天狗の末裔、オン(越山敬達)はニューヨークで生まれ育った。天狗の家系は14歳の1年間、世俗を離れて隠遁生活を送るというしきたりのために初めて日本に向かう。
産まれてすぐに一度だけしか会ったことがなく、記憶すらない兄の基(駒木根葵汰)と暮らすことになる。基は14歳で隠遁生活をして以降、この地に残り当代を継いで暮らしている。
ニューヨークっ子のオンと料理上手で実直な基。年齢も29歳と14歳。世代も育ちも違う兄弟が、ギクシャクしながら食を中心に距離を縮めていく。原作は漫画だ。
イケメンの料理シーンは大好物
やっぱりいいね、イケメンが料理を作る姿😆と、まずスタイルから気にいる。
元々はチャプターの、なにやら装束を着た男前の姿に惹かれて見始めた。タイトルにも興味を持った。
東京の田舎に住んでて自給自足の設定。イキイキとした旬の食材を使った、基の作る料理はおいしそうでお腹が空く。隠遁生活というくらいだから調理法も、ちょっとアナログで昭和を彷彿とさせた。ワタシが料理を始めた子ども時代を思い出させる。
この日のワタシごはん VOL.34 丸亀製麺の肉ぶっかけうどん
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ドラマを観ていて8つ下の弟のことを思い出した。昨年の夏、この世を去った。
治療どころか検査も拒み続け、散々周囲を悩ませた。動けなくなりようやく病院に行った時には手遅れだった。
それでも入院時には食欲があった。その度に姉妹で買いに走る。いつ急死してもおかしくない病状の彼が、食べたいというものくらい食べさせてあげたいと思った。
7月14日、丸亀製麺の牛肉ぶっかけに温玉のせが食べたいと言い出した。空腹だった妹とワタシは店で食べることにした。
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家族は、ほとんど癌を患って亡くなっている。この3年前には、末期の膵臓癌で母を看取った。これから弟が、どんな病状を辿るか予測がつく。
だからこそ、「あれ食べたい」「これ食べたい」と言ってくれると嬉しかったし、切なかった。
テイクアウトをして病室に戻る。リクエストした料理を前に顔を明るくしたが、ふた口食べると「ダメだ」と箸を置いた。
「食べたかったはずなんだけど」
日毎に食欲は落ち始めていた。食べたいと思ってもおいしく感じられない。喉を通らない。
「ごめんなさい」
末っ子の長男でわがままに育った弟の「ごめんなさい」「ありがとう」は、子どもの時以来だった。皮肉にも最後の2ヶ月に何度も聴いた。
「いいよ、いいよ」と、努めて明るく返す。
弟より先にイートインで食べた牛肉ぶっかけうどんの濃い味は、涙よりもしょっぱかった。
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