11月23日(いい兄さんの日)
僕には年子の兄がいる。
兄は橋脚の設計士
おしゃべりな僕とは正反対の
寡黙な兄
小さい頃は兄もおしゃべりな人だった
ような気もするが、
気づいたら物静かな人だった。
そんな兄は現在、
クローン病
と言う難病に侵されている。
クローン病とは、消化器官に炎症が引き起こされる難病で、大腸や小腸などの栄養を吸収する器官を害される為、栄養補給が困難であり、腸閉塞なども併発する病だ。
大学在学中に発症し、1年休学した。それ以来10年以上、働きながら病と戦っている。
そんな兄と弟の僕の話。
小さい頃を思い返してみよう。
今でも周りに不思議がられるが、
小さな頃から、僕たち兄弟は
一度もケンカしたことが無い。
1番上に絶対権力者の"姉"が居てくれた
からかもしれないが、本当に無い。
兄も僕も、どちらかと言えば、気も弱いし
穏やかなタイプだった。
しかし末っ子全開の僕は超ワガママ
口もよく回るので言いたい放題
よくケンカにならなかったものだと、
今子育てしていて思う。
おそらく兄のおかげだ。
兄は、小さい頃から兄としての自分を
自負していた。
いつも僕のワガママを
眉間にシワを寄せながら、
なんだかんだ叶えてくれた。
僕が欲しいマンガがあれば、
『兄ちゃんも金出してやるよ』と
8割お金を出してくれたり
2人で同じガンダムのガチャガチャを
した時、兄は大当たりのガンダム
僕はハズレのグフ
『交換して』と意味の分からないワガママにも
『仕方ないな』と交換してくれたり。
おまけに、兄が風邪を引いて休んでいる間に、
兄が当時ハマっていて、クリア寸前だった
【ドラゴンクエストテリーのワンダーランド】
を、やってみたかった僕が勝手にクリアした時も
怒りはしたけど、許してくれた。
・・・・・
思い返すと、本当に僕は嫌なやつ
そう、僕は兄に嫌われていると思っていました。
どう考えても、嫌われているだろうと。
いつの頃からか、あまり話さなくなった。
兄の病状が悪化した今、憎らしく、妬ましく思われているのではと。
病気で日々の生活もままならない兄と、比較的健康で、結婚して子供もいる自分。
ますます話さなくなった。
そんな今でも、兄は子供達の誕生日やクリスマスは欠かさずプレゼントを贈ってくれます。
たまに実家に帰って、子供達の遊ぶ姿を
温かい目で見ている兄
そんな姿を見ていると、
あぁ、兄は昔のままだ。病気なんかに負けていない。あの不器用だけど、人一倍優しい兄のままだ。
変わってしまったのは、兄の病気に負けてしまったのは、『僕』だったんだと気が付いた。
兄には『夢』がある。
今より健康になって、キャンプに行く事。
僕にも『夢』がある。
いつか兄と一緒に、キャンプに行く事。
いつか叶う日を、今から楽しみに。
僕らは兄弟で、キャンプの話をするんだ。