本棚って、いいよね?ぼくは、本棚というものが大好きです。その人が知ろうとしてきたことの蓄積であり、生きた軌跡を表すものでもあると思うからです。ある種のアルバムに近いものでしょうか。だから、他人の本棚って、見てみたいけど、見るのはちょっとムズがゆい。そして自分の本棚を見られることって、ムズがゆい。でも、ぼくがどのようなことを考えていて、「ぼくはこういうにんげんだ!」ということを伝える一端を担えると思うし、こんな僕の本棚に興味をもってくれる人もいるんじゃないだろうか?ってことで、
別に普通の光景だった。公園で中学生がたむろしていた。ちょっとやんちゃな普通の中学生。昔であればどんな中学生を見ても、やんちゃそうだなぁくらいで思っていたが、子どもと一緒にいる今は違う。仕事で関わることは全然苦じゃないが、親子一緒でプライベートでは感覚が異なる。 端的に言うと、後先考えずに行動するタイプ(あるいはぼくや娘に危害が及ぶかもしれないと思わせるタイプ)に見えた。公園ででたむろし、アイスやお菓子を食べ、飲みかけのペットボトルなどのゴミは周囲に散乱している。近くにいるそ
第二子が生まれてぼくが育休に突入し、2ヶ月がたった。 上の子は赤ちゃん返り?という状態になったが、今はすっかり落ち着いて普通のイヤイヤ期の子供だ。 上の子が保育園に行っていないときは、基本的に上の子の世話は妻が、下の子の世話はぼくがする感じに自然と落ち着いている。生後2ヶ月の子と問題なく過ごせていると考えると、ぼくもそれなりの「育休に入った男性」になったのだと思う。昭和生まれのくせになかなかやるやつだなオレは。にくいぜ。 育児をしていると、「仕事と育児、どっちが大変ですか
映像教材、ベンリですよねえ…。授業では実物も見せますが、映像も使っています。自分用のメモ代わりの、映像教材の参照先です。ご参考にどうぞ。自分のメモとして使っている側面が強いです。すみません。 最終更新日:2021.1.23 iBooksのLIFE ON EARTHという無料のものをよく多用して見せています。LIFE ON EARTHは英語ですが、無料にして、わかりやすい映像が多くあり、同業者にも、生徒にもオススメです。 顕微鏡の使い方ミクロメーターの使い方 http
科学の知識では精神的な安心を得られないという限界 新型コロナによる世間の混乱は、東日本大震災のときをすこし思い出してしまう。情報がいくらあっても、不安の解消や精神的な安心にはつながらない。むしろワイドショーなどの情報によって、さらに不安になり、情報をまた求めてしまう。こんな負のスパイラルに国全体が陥っている。 これは科学や知識よって安心が獲得できないという、非常に深い問題だとおもう。新型コロナで混乱している世の中だからこそ、科学とその知識の限界について、理科教師として生徒
居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書 東畑開人著(医学書院) この本はカウンセラーの東畑さんによって書かれた本で、「居場所」について考えた人、居場所について傷ついたりした人、とかくみんなにおすすめすることができる本だ。居場所、ケアとセラピー、カウンセリング。これらを肌触りな質感をもって語り伝えることって、この世の何人ができるだろうか。居場所をつくるということは何か、人をケアするってなんだろうと、考えるきっかけをズカズカくれる超面白い一冊だった。そして、最後の大ど
『急に具合が悪くなる』 宮野真生子・磯野真穂 著、(晶文社) 素晴らしい読書体験だった。内容ももちろんだが、読書をしていた時間が尊かった。 そしてこの本は、すごすぎる。その一言で終わらせた方が良いのかもしれない、と何度も思った(これを書いている今も思っている)。ただ、それはここまで中身があり、文字通り死力を尽くして出版された本に対して、誠実なようで、実は不誠実な言葉なのかもしれない。そう考えて筆をとった。 そして、こんな記事も読んだ。 そう、磯野さんも、この本を読んだ
中動的な世界 意志と責任の考古学(國分功一郎)医学書院 圧倒的な勉強量・思考量。生きている世界、見ている世界が違うことを痛感させられる。そもそもこの本を手に取ったきっかけは、騒がれていたし、医学書院の「ケアをひらく」は良書だらけだし、読んでみたいなという感じだった。というか、半分くらいは(え、この本読んでる俺ってカッコいいんじゃね?)という色気が出ていたのは事実…苦笑。 著者ができるだけ平易な文章で、読者にわかるように努めて書いてくれているということがとても良かった。難し
ヤンデル先生が書かれた佐渡島さんとの書簡を読み、痛烈に自分の問題意識と重なることがあった。 非常に良い文章だった。医療者として、現時点でのある種の負けを認めた上での決意が書かれている。僕はヤンデル先生のこういう姿勢が大好きだ。素直に足りていない部分を吐き出し、その上で無理なことや、解決策を考えることができる人は立派だ。うわべで綺麗な言葉ばかり並べる人よりも、こういう人こそ信頼することができる。 特に、僕が強く意識したのは以下の部分だ。 医者はもう少し殴られた方がいい。外
「在宅無限大」(医学書院) ちょっとずつ、読んだ本の感想をまとめていく。心に刺さる本やまとめておきたい本は今までもまとめてきていたけれど、こういった形で残した方が自分にも人にも残るから、たまにはいいかなと思って。 日本において、人はどこで死んでいる?在宅死ってなに?生きるってなに?で、在宅死は生きることは完結させる良い手段なのでは?という話が温かみのある対話とその分析を通してつづられている。 在宅死および在宅医療の話は「死を生きた人々」(小堀鷗一郎著、みすづ書房)にも詳
日本生物教育会2018@山口で生命倫理に関する発表を行う予定です。それに伴い要旨集にはアカウントを載せ,このページを通して取り組んできた授業プリント・そこで生じた議論をオープンにすることとしました。日生教をきっかけとして来てくださった方へのガイドのページです。 まず,私が今回発表した内容というのは,生命倫理に関して深く・哲学的に考えてもらう授業の取り組みについてです。 授業形式は,プリントに哲学的な問いが記されており,それに対して生徒が自分の意見を論じ,提出する形式
ここでは生態系に関する哲学プリントを授業で扱った中で,生徒が出した面白い意見や疑問点を列挙し紹介します。もともとのプリントはこちら(哲学プリント 〜生物多様性・生物とは〜) 下の方には生徒からの質問に私が答えるコーナーもあります。 まず,1問目。ヒトはなぜ生態系を保全するのか 人類が絶滅する危機になった際,人間が生き残るための選択肢を残しておくため。生態系を保全することで現在の環境を守ることに繋がり,人間が生存できている今の状況を守り続けるため。 我々は生態系サービ
ここでは生命と遺伝子に関する哲学プリントを授業で扱った中で,寄せられた意見や疑問点を列挙し紹介します。もともとのプリントはこちら(哲学プリント 〜ヒトの命・健康・性〜) 一見の価値アリです。それでは,僕に寄せられた質問と,僕なりの返答を羅列します。 3番の健康寿命を伸ばすためにあなたが政治家ならどのような政策を立案するか,について 次は4番のLGBTに関する問い。社会的な性と生物学的な性はどのように捉えるべきか?
ここでは生命と遺伝子に関する哲学プリントを授業で扱った中で,寄せられた意見や疑問点を列挙し紹介します。もともとのプリントはこちら(哲学プリント 〜生命と遺伝子〜) ぶっちゃけ,これらの質問を読んだときは非常に鋭い意見が多く,驚きました。一見の価値アリです。それでは,僕に寄せられた質問と,僕なりの返答を羅列します。
それぞれの哲学プリントへのページ そもそも哲学プリントってなんですか?という方はこちら→哲学プリントって何ですか? こっから下は,哲学プリントの一覧と授業時に出た議論をまとめた記事です。 生物基礎受講者対象(高校課程) 哲学プリント 〜生命と遺伝子〜 →プリントでの議論(生命と遺伝子) 哲学プリント 〜ヒトの命・健康・性〜 →プリントでの議論(ヒトの命・健康・性) 哲学プリント 〜生物多様性・生物とは〜 →プリントでの議論(生物多様性・生物とは)
ちょっとここでは僕が独自に作っている哲学プリントってなんぞやみたいな話を書きます。 Q.そもそも哲学プリントって? →答えのない問いに対して生徒に考えてもらうために僕が作ったプリントです。答えのない問いが載っています。哲学的な問いに挑むプリントなので,”哲学プリント”と呼んでいます。プリントは基本的に全てアップしています。一緒に考えていただいたり,ご参考にしていただくことは非常に嬉しいことです。ただ,再配布だけはご遠慮ください。 (追記)僕のプリントを見た知人の方から「