シュウマイオブザイヤーを振り返る(3)|なくしてはならない第4世代 横浜編
2020年シュウマイオブザイヤーとして、「第4世代=町中華や定食屋、居酒屋などの和シュウマイ※シュウマイも第7世代説を参照」にスポットを当てたわけですが、ただでさえコロナ禍で行動範囲が関東近辺に限られていたにもかかわらず、東京都内だけでもかなりの数になり、2回に分けさせていただきました。
ということで、今回は横浜編を。結果として、コロナの影響で狭い範囲を掘り下げることができ、今まで見落としていた名店に巡り会うことができました。これはこれで「怪我の功名」といえるのでしょうかね。
奇珍
横浜のシュウマイというと「崎陽軒」「中華街」という二大トップに目が行き、私もそこに足を運びがちでしたが、以前から気になっていた「中華街」からほど近い、山手本牧エリアを改めて開拓。そのなかでも名店と言われていたこちらのお店に、念願かなって行きました。そして、期待に違わぬ名シュウマイ。やはり中華街に近い立地的な部分もあるのか、肉をしっかり練ったがっちり肉感のシュウマイで、ほんのり甘め。個人的には、からしのみでいただくのが好きです。一緒に頼んだ「バンメン」が、極細ストレート麺で、シンプルなシュウマイとの相性抜群。
桃李
こちらは、奇珍よりももう少し本牧方向に行ったところにある、地元に愛され続ける老舗中華。食感が面白く、具材もシンプルそうで細やかな仕事が隠され、シュウマイの旨味のさらなる可能性を感じさせてくれました。シンプルなつゆそばは、飲んだ後に最高であろう一品。今は緊急事態宣言で時短なので難しいですが、落ち着いたら夜にゆっくり行きたいです。
中華料理 萬福
横浜を代表する飲み屋街「野毛」も、2020年に積極的に歩き回りましたが、名シュウマイ、意外に多いです。そのなかで、今年はこちらの一品に衝撃。いわゆるせんべろ系の、常連以外は立ち入れない雰囲気なのですが、シュウマイが想像以上の本格品。2021年に入り、改めてシュウマニストたちと行きましたが、がっちり、肉感あり、それでいてどこか優しい、町中華のお手本のような味わい。「つまみ中華」とぜひ一緒に。
たらふくちゃん
貴重な居酒屋系シュウマイ、官庁街として知られる馬車道で発見しました。豚肉中心なシュウマイですが、適度なふんわり感で、7個でもペロリ。和洋中さまざまな料理と酒が揃い、どれも手作りで高品質。シュウマイを中心に、料理、酒と、どういう組み合わせにするか、毎回楽しく迷えそうなお店です。
そして、横浜でも新世代、東京都と同様、かなシュウマイ、な出来事が。
まだ「マツコの知らない世界」にも出ず、ひっそりと身近なシュウマイファンたちと食べ歩いていたころに教えてもらった、東横線「白楽」の名店であり、個性派のシュウマイを提供する「襄陽」が、ひっそりと幕を下ろしていたのです…神奈川、多摩地域の地域情報紙「タウンニュース」の新年号の取材の際、横浜のおすすめシュウマイの一つとして紹介しようと思ったら、判明した事実…あの、やわらかふんわり系を味わえないと思うと、改めて第4世代に厳しい時代だと、実感せざるを得ません。「怪我の功名」なんて言っている場合ではない、です。猛省。