2020年7月の外食web検索マーケット推移
7月のWeb検索マーケットの推移まとめました。緊急事態宣言解除後に徐々に回復していたマーケットですが、また、go toキャンペーンをきっかけに感染者数が増えてきたことから縮小ムードが漂っております。今後の流れを考えると経済を止めることはないと思いますが、外食への需要と考えると4月に近いことが起きかねないです。
現状を把握しながら、今後に対しての準備もしっかりとしていく事が必用でしょう。
※googleトレンドのデータは8/4の物を使っています。データが取得日や時間によってブレることがございますので、そちらはご了承ください。
◎まとめ
【業態系ワード】
・エリア傾向としては、東京、神奈川の戻りが他エリアに比べて悪い。
(マスコミに報道される地名が入っている所は影響が顕著に出ています。)
・業態系ワードでは、飲み需要で検索するワードは戻りが悪い。
(『居酒屋』『イタリアン』『バル』といったワード)
【利用シーン系ワード】
・利用シーンワードでは、夜系の『ディナー』は全国的に戻りが悪い。
東京、神奈川では、『ランチ』『カフェ』といったお出掛け・買い物需要系のワードの戻りが悪く、繁華街の需要の戻りも悪く、厳しい状況。
※『ごはん』が増えているのは、コロナ禍で「お家でごはん」「晩ごはん」といった感じのレシピ系の検索が増えている為です。
【グルメ媒体・SNS系ワード】
※上記のホットペッパーは(ホットペッパーとホットペッパービューティーの差分で算出しています。)
・グルメ媒体系ワードは、戻してきてはいるがグループでの需要が減っている事もあり、検索ボリュームとしてはまだ、弱い。
・SNS系ワードは、5月、6月と比べると落ちていますが、基本的には上昇トレンドです。
【テイクアウト・デリバリーワード】
※上記グラフは、東京都の2019/1/1~2020/7/31の週次推移。全国的に動きは一緒なので、その他のエリアの物は3.以下で確認下さい。
・全体的な傾向としては、4月、5月に大幅に伸びて6月、7月と減少しているが、4月以前からの推移でみると幅は小さいが徐々に上昇トレンド。
・特に需要を伸ばしているのは、『テイクアウト』『お持ち帰り』。ここは以前と比較しても5倍以上に伸びています。
・テイクアウト、デリバリー共に先日の4連休のあった週はぴょこんと伸びています。自宅にいることが多いシーンではテイクアウト、デリバリーの需要が伸びることが見てとれます。
・今後、またコロナによって自宅にいなくてはいけないシーンが出てくるとすれば、この需要は間違いなく伸びるでしょう。リスク対策としてデリバリー、テイクアウトは準備をしておいた方がいいでしょう。
1.業態系ワード(東京、神奈川、愛知、大阪、福岡)googleトレンド2012/1/1~2020/7/31
7月中間は(東京、神奈川、大阪、福岡)で見ていましたが、今回は名古屋も加えて見ていきたいと思います。
7月中間で報告していた通り、動きとしては6月よりもボリュームダウンしているものもありますが、昨対では6月よりも戻してきています。
各エリアの4月~7月の検索ボリュームを昨年と比較したのが下記のグラフになります。同じ色同士が同じワードになっています。左側が昨年、右の淵の黒い方が今年のボリュームとなっています。
全国で共通なのは居酒屋(赤)、バル(紫)は昨年と比較して戻りが悪い、東京・神奈川はさらにイタリアン(黄)の戻りが悪いといった感じです。
関東ではイタリアンの検索意図の中にバルも含まれている為、そういった飲み需要で使われていたイタリアンのワードが減っていると推測されます。
一方で、焼肉、寿司といったワードは関東を除くと昨対越えをしています。東京においても昨対90%以上と他のワードと比べ大幅に戻ってきているのが分かります。
これまでのトレンドで伸び続けていたワードに関しては、まだ伸びると思いますが、コロナ前に既に飽和していた都心部の『居酒屋』『バル』『イタリアン』あたりは、以前のレベルに戻ることは恐らくないでしょう。
※あくまでもgoogleでの検索数の話なので、SNSや他の媒体内での検索では増えていっているものはあります。
・東京
・神奈川
・愛知
・大阪
・福岡
2.利用シーン系ワード(ランチ、ディナー、ごはん、カフェ、レストラン)googleトレンド2012/1/1~2020/7/31
ランチ、ディナーといった使用シーン系のワードもチェックして見ました。
6月、7月の昨年対比での検索ボリュームは、下記の表のようになります。
『ごはん』は、自宅でご飯をつくることも増えたことが影響して検索ワードがコロナ期間中も伸びていました。
エリアで見るとやはり関東の戻りがかなり悪いです。その他のエリアは『ディナー』を除き80%くらいまでには回復してきています。
夜の外食がたたかれていることもあり、『ディナー』は大阪を除いて70%にも満たない状況で先ほどの業態ワードと比較しても低い水準です。
『ランチ』、『カフェ』といったお出掛け、買い物時に使われる検索ワードの戻りが弱いことをみるとまだ、人の多い繁華街への外出は控えている感じです。特に関東は、ニュースの影響もありその他のエリアよりも控えられている感じです。
各エリアごとでの各月の検索ボリュームの昨年対比です。同じ色の左側が昨年、右側の黒で縁取りされている方が今年です。見て頂くと赤(ランチ)と青(カフェ)が他の物に比べて大きいことが分かるかと思います。ですので、同じ昨年対比80%だったとしても、絶対値で見たときにはマーケットへ与える影響は大きいです。
ランチ、カフェあたりのワードが昨年と同様のレベルになって初めてともとに戻ったと言えるかと思いますが、まだ、コロナの影響でしばらくは厳しそうです。夜の需要に関しては、恐らくそれ以上に厳しく、昼間人口の減少の影響を受けて元のボリュームまで戻ることは厳しくなっていくでしょう。
・東京
・神奈川
・愛知
・大阪
・福岡
3.グルメ媒体・SNS系ワード(東京、神奈川、愛知、大阪、福岡)googleトレンド2012/1/1~2020/7/31
グルメ媒体・SNS系ワードの指名検索の推移です。全国的に同様の動きをしています。下記は6月、7月の検索ボリュームの昨年対比での数値です。
全体的な動きはさらにしたのグラフを参照していただければと思います。
トレンド自体は大きく変わらず、グルメ媒体系の検索ボリュームダウン、インスタ、ツイッターは増加トレンド、facebookは
各媒体ごとにみると
・ぐるなび
もともと減少トレンドだったが、コロナが起きてからさらにダウン、ここ2カ月は若干戻してきているが、減少トレンドは変わらず。
・ホットペッパー
実質のホットペッパーグルメのアクセスボリュームは昨年対比で半減はしているが、ホットペッパーグルメを含む総量では以前と同じくらいまで戻してきている。会員ビジネスモデルなので他の媒体に比べて、クロージングの為の流入は地方においては強い。
・食べログ
6月に検索数は戻っては来ているが、7月の戻り幅は関東では小さい。恐らく県外からの流入が少ないエリアは、戻りが少ないと思われます。『食べログの指名検索≒得点を知りたい』なので恐らく、普段いかないエリアやプチハレの検索需要なので、大阪、福岡あたりはそれによって伸びていると推測できます。
・一休
こちらも会員ネットワークなので、ハレのシーンが戻ってくればそれに比例して検索数も戻ってくると思います。愛知、福岡あたりは元の件数が少ないため、若干上振れして大きく伸びているように見えているかと思います。
・Twitter、ツイッター
多少波はありますが、昨年よりも使われているのが分かると思います。今現在起きていることを確認するためには一番いい媒体という事で、直近のお店の情報を集める際に便利という事もあり、検索が増えています。
・Facebook
こちらもエリアによって波がありますが、減少傾向だったものがコロナをきっかけに微増トレンドになっています。恐らく信頼のできる知り合いの情報を見るといった事やTwitterとはちがい実名投稿といった部分で信頼できる人を探して情報を調べるという事をしているかと思います。
ただ、使っている年齢層はそこそこ高いと思いますので、40代以降のお客様のが少ないお店では、あまり関係ないかもしれません。
・インスタグラム
4月5月は高い水準で伸びていましたが、7月になり大分落ちてきています。エリアによっては昨対を下回っている所もあります。
私の仮説ですが、実際にマーケットが戻ってきているエリアは、『twitter、ツイッター』の検索が伸び、『インスタグラム』のワード検索が減少するという事が起きているのではと思っています。
これは、現在の環境下においては、本気でお店探しをした場合には、綺麗にとったインスタの写真よりも本音の飛び交うツイッターで情報を取得した方が間違いがないという事があるのではないかと思います。行きたいと思うお店を集めるのにはインスタ。直近の実情(特によくない面がないか?)を知るのにはtwitterが適しているからです。
※各エリアの推移は下記になります。上がグルメ媒体系、下がSNS系の検索ボリュームの推移です。
・東京
・神奈川
・愛知
・大阪
・福岡
3.テイクアウト、デリバリー系ワード googleトレンド2012/1/1~2020/7/31
各エリアの2019/1/1から2020/7/31までの週次推移のグラフです。
(需要が高まったのが今年の4月からだったので、分かりやすくするために期間を短く週次での推移のグラフにしています。)
・全体的な傾向としては、4月、5月に大幅に伸びて6月、7月と減少しているが、4月以前からの推移でみると徐々に上昇トレンド。
・特に需要を伸ばしたのは、『テイクアウト』『お持ち帰り』。ここは以前と比較しても5倍以上に伸びています。
・デリバリー系に関しては、自社配送を持っていないお店が大半の為、UberEatsのエリア拡大がされないと供給側が伸びないという事もあり、それが検索ボリュームにも影響していそうです。
・テイクアウト、デリバリー共に先日の4連休のあった週はぴょこんと伸びています。自宅にいることが多いシーンではテイクアウト、デリバリーの需要が伸びることが見て取れます。
・今後、またコロナによって自宅にいなくてはいけないシーンが出てくるとすれば、この需要は間違いなく伸びるでしょう。リスク対策としてデリバリー、テイクアウトは準備をしておいた方がいいでしょう。
・東京
・神奈川
・愛知
・大阪
・福岡
4.2020年7月度web関連ニュースTOPIC
※記事タイトルをクリックするとニュース記事に飛びます。
・インターネットでのフードデリバリーサービス利用経験は46.4%、2019年より16.5ポイント増、最も利用しているフードデリバリーサービスの上位は「直営店」「Uber Eats」「出前館」
・グーグル検索結果で“グーグル保証”マーク表示、月々5000円からってこれマジ!?
(グーグル保証)」というバッジをローカル検索のグーグル マイビジネス リスティングに表示する月額50米ドル(約5300円)の有料サービスをグーグルが試験的に始めたらしいです。 海外では、架空店舗をつくったり、詐欺まがいの店舗が出てきたり しているという事もあり、こういった物を試験的に試しているようです。 特定の業種(鍵修理・クリーニング・水漏れ修理など)だけで 試験中で、保証の付いたお店を利用した際に満足が出来なかった場合は googleから返金されるという返金保証がついているようです。 品質を担保すること顧客を守るという事とこれまでに使った事のない お店を試すのはハードルが高かったですが、このサービスがあれば 気兼ねなく注文できますので、そういった意味では新規獲得のチャンスが 広がるので、第三者が品質保証するという面白いビジネスモデルですね。
・Google、モバイルファーストインデックスの強制移行を2021年3月末まで延期
本来であれば、今年の9月に行われる予定でしたが、コロナの影響も加味し延期となりました。 移行にあたってのいくつかの不具合も見つかったようなので、そちらへの対策は行っておいた方がいいです。
・「Google 掲載」のリスティングによる商品広告がウェブ検索でも無料に。今夏に米国で開始
物販を行っている店舗様には朗報です。googleも下記のように記載しています。 Google検索での無料のリスティングは、デジタルコマースへのアクセスを民主化する大きな一歩であり、買い物客や販売者に、より多くの選択肢を提供します。
【食べログ】
・「食べログ」、掲載情報・口コミ機能を拡充 飲食店の衛生対策情報を掲載開始、「テイクアウト」「デリバリー」などの口コミが一目でわかるようになりました
少しでもコンバージョンが上がるようにするために情報拡充を行っています。
【ぐるなび】
・ぐるなび、飲食店の衛生環境に対する取り組み情報を 店舗ページへ掲載開始
・「ぐるなびFOODMALL ~Farm to Restaurant to Table~」約220品のラインナップで2020年7月2日(木)よりオープン!
個人的には、全体的に食べログの行っていることの後追い的に感じてしまいますが。。
【ホットペッパー】
・飲食店からのテイクアウトの利用実態を調査
ちょっと興味のあった内容としては
2020年5月に飲食店からのテイクアウトを利用した人は58.1%に対して
飲酒を主体とする業態からのテイクアウト経験は5.4%にとどまる
テイクアウト市場への参入が、一筋縄ではいかなそうなことが示唆される
データとなっている。といった部分です。
・ 外食市場調査2020年6月度
↑今後のマーケットの参考データとして
【Retty】
「せっかくの外食だからXXな体験がしたい!」消費者4割の外食に求める期待高まる。緊急事態宣言「解除後」現在の外食行動と意識の変化〜調査レポート〜
↑こちらも今後のマーケットの参考データとして目を通してもらえればと思います。
サマリーとしては下記。ただし、rettyアプリユーザーが対象なので回答者
にバイアスがかかっていることに注意してみる必要はありますが、参考に
なると思います。
・外食頻度は「2、3週間に1回」と回答した方が約35%と最多。
・「週に1回以上外食をする」と回答した方が、緊急事態宣言「発令前」
の56%から緊急事態宣言「解除後」に約44%と約12pt減少。
・複数での外食人数は「2人」という回答が約53%、「3~4人」という回答
が約41%。
・これからの外食に期待するサービスとして最もを重要視するのは
「美味しい料理が提供されること」という回答が63%、約21%の方が
「衛生的な環境で食事ができること」と回答。
・緊急事態宣言「発令前」と比較して、これから外食する際に「飲食店に
求めるサービスの基準が高くなっていると思う」と約42%が回答。
・緊急事態宣言「発令前」・「解除後」のどちらも、お店を探す際に気に
なる点の上位2位は「メニューに好きなものがある」「口コミの評判が
良い」という回答だが、緊急事態宣言「解除後」、4位に「お店が衛生対
策をしていること」と約52%の方が回答し「発令前」より約30%増加。
・緊急事態宣言「発令前」にお店を探す際に参考にしている情報の上位2位
だった「グルメサイトの口コミ」と「知人からの情報」は、「解除後」
においても変わらず上位2位という回答。
・これからの外食の不安を解消する情報においても、同じく「グルメサイ
トの口コミ」と「知人からの情報」が上位2位という回答。
客観的に見て『グルメサイトの口コミ』の回答が多いのは、RETTYの利用者に聞いているからだと思います。一般に広げると『グルメサイト』というよりも『自分の信頼できるサイト』になると思います。このサイトにはSNSも含まれるといったニュアンスで。
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