2021年12月までの外食web検索マーケット(飲食店の為のwebマーケティングデータ)
例年であれば、12月は予約でお店が溢れ、居酒屋であれば2次会・3次会の需要を見込めたのですが、まだまだそんな状況には程遠いといった感じでした。今後徐々に回復していく面もあると思いますが、経営する側としては楽観視できない状況かと思います。大手もイートイン売上が以前の7割程度でも収益が出るようなモデルを構築しようとしています。(もしくは業態転換を図る)恐らく、今後の環境変化に向けて適応ができる体制にしておかないと厳しい状況になるのは間違いないでしょう。
売上構造の変化(売上ルートの拡大)、集客構造の革新、コスト構造の改革といったことを多角的に絡めて考えていくことが必要になってきました。今年は外食企業の変革の年となるのではないかと個人的には思っています。
◎まとめ
【業態系ワード】
・2020年12月は感染者数の増加を受け、緊急事態宣言が出されたせいで検索ボリュームが落ち込んでいたこともあり、全般的に2020年を上回っている。
・イタリアン、焼肉、寿司は2019年までのトレンド(動き)に準じたボリュームにまで戻ってきているように見える。(イタリアンはもともとがダウントレンドだったので、その延長までには戻て来ている)
・一方、居酒屋も昨年対比では大幅に戻してきているが、2019年以前のボリュームと比較してしまうと60~70%程度と以前のレベルには程遠く、予約売上(団体、宴会需要)はまだまだ、戻ってきていない状態。
・売上構成の変化(特に宴会比率)に対してどのような対策を立てていくのか?は今後課題となるだろう。
【利用シーン系ワード】
・ランチカフェ系のお出かけ・買い物系ワードの戻りが悪い。考えられる要因としては、
①まだ、コロナを警戒して繁華街へのお出掛けを控えている(年配層)
②検索媒体の分散によって減少している(instagram等)
・特に②については集客において重要な変化で認知経路・検索媒体の一つとしてSNSが無視できなくなってきていることを示している。
⇒今後、SNSへの露出も計画的に進めていく必要がある。
・SNSでは、単純にお店の公式ページを作るだけではほぼ露出されない。話題となるコンテンツを提供することが必要。
⇒コンテンツ(お店の売りや強み)もしっかりと考えて発信していくことが必要でしょう。
【グルメ媒体系】
・昨年はまだGoToEatキャンペーンの影響があったが、今年はその影響もなくなり大幅に落としている媒体ワードが多い。
・宴会の減少でお店探しをしなくなったことから媒体名での検索をしなくなってきているのが大きい。特に大型宴会で強かった『ぐるなび』がひどいことになっている。
・以前とは媒体の効果性が変わってきている(特に新規客への認知機能の低下)ので掲載媒体の選定、販促費のかけ方も検討していく必要がある。
【テイクアウト、デリバリー系ワード】
・『テイクアウト』のワードは2倍前後で定着している模様。
・『デリバリー』は年末でも特に大きな変化はなく、google検索での店探しはあまりされず、どちらかというとアプリ内での検索となっている。
1.業態系ワード(東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡、北海道)
Googleトレンド (期間2012/1/1~2021/12/15 2021/11/21に取得)
【業態系ワードの推移比較】(居酒屋、イタリアン、バル、焼肉、寿司)
【ワードボリューム昨年同月対比】
2020年12月は、感染者数の増加を受け、緊急事態宣言が出されたせいで検索ボリュームが落ち込んでいたこともあり、全般的に2020年を上回っています。
イタリアン、焼肉、寿司は2019年までのトレンド(動き)に準じたボリュームにまで戻ってきているように見えます。(イタリアンはもともとがダウントレンドだったので、その延長までには戻て来ている)
一方、居酒屋も昨年対比では大幅に戻してきていますが、2019年以前のボリュームと比較してしまうと60~70%程度と以前のレベルには程遠く、予約売上(団体、宴会需要)はまだまだ、戻ってきていない状態です。現状はまだ会社から禁止されている等の理由もありますが、若い方たちにとっては文化的に縮小してきていると思います。特に大学でのサークル活動の縮小の影響が今後何年も出てくると予想しています。売上構成の変化(特に宴会比率)に対してどのような対策を立てていくのか?は今後課題となるでしょう。
2.利用シーン系ワード(東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡、北海道)
Googleトレンド (期間2012/1/1~2021/12/15 2021/11/21に取得)
【業態系ワードの推移比較】(ランチ、カフェ、ごはん、レストラン、ディナー)
【ワードボリューム昨年同月対比】
ランチカフェ系のお出かけ・買い物系ワードの戻りが悪く感じられます。
考えられる要因としては、
①まだ、コロナを警戒して繁華街へのお出掛けを控えている(年配層)
②検索媒体の分散によって減少している(instagram等)
が考えられます。特に②については集客において重要な要素となってきます。認知経路・検索媒体の一つとしてSNSが無視できなくなってきていることを示しています。今後、SNSへの露出も計画的に進めていく必要があるでしょう。
SNSでは、単純にお店の公式ページを作るだけではほぼ露出されませんので、話題となるコンテンツを提供することが必要となります。店舗の商品やオペレーションを含めての売りとなるものがないとUGC(ユーザーが作成するコンテンツ:instagram、twitter、blog、youtube等の投稿)が発生せず、お店の情報の拡散が起きません。このあたりのコンテンツ(お店の売りや強み)もしっかりと考えていくことが必要でしょう。
3.グルメ媒体系ワード(東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡、北海道)
Googleトレンド (期間2012/1/1~2021/12/15 2021/11/21に取得)
【グルメ媒体系ワードの推移比較】(ぐるなび、食べログ、ホットペッパー、ホットペッパービューティー、一休)
【ワードボリューム昨年同月対比】
外食ではありませんが、ウォッチしている「ホットペッパービューティー」が11月、12月と大幅に伸ばしています。外出の機会も増え、見た目を整えようといったことなのでしょう。
一方でグルメ媒体系のワードは減少しているところが多いです。昨年はまだGoToEatキャンペーンの影響があったのですが、今年はその影響もなくなり大幅に落としている媒体ワードが多いです。
やはり、宴会の減少でお店探しをしなくなったことから媒体名での検索をしなくなってきているのが大きいのでしょう。特に大型宴会で強かった『ぐるなび』がひどいことになっています。
以前とは媒体の効果性が変わってきている(特に新規客への認知機能の低下)ので掲載媒体の選定、販促費のかけ方も検討していく必要があるでしょう。
4.テイクアウト、デリバリー系ワード(東京、神奈川、大阪、福岡)
Googleトレンド (期間2012/1/1~2021/12/15 2021/11/21に取得)
【テイクアウト、デリバリー系ワードの推移比較】※週次推移です。
【ワードボリュームコロナ前対比】
『テイクアウト』のワードは2倍前後で定着している模様。『デリバリー』は年末でも特に大きな変化はなく、google検索での店探しはあまりされず、どちらかというとアプリ内での検索となっている。
【デリバリーアプリ名の検索ボリューム推移】
デイバリーアプリ名の検索ボリュームの変化をみると、PC利用者の多い出前館が年末にかけて増えているのが分かる。一方マックデリバリーは、年末にかけては減少。恐らく年末はハレ需要にシフトするので日常業態は若干減少するのであろう。その他の媒体は、アプリのダウンロードも一巡したので、検索はほぼされないといった感じ。