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vol.14 スコッチウィスキー(Scotch whisky)について①
※かつてアメブロに投稿していたものに加筆して移行しています。
久しぶりのお酒に関しての投稿です。
今日は、『5大ウィスキーの中のスコッチ』について
皆さんもスコッチと言う言葉自体は聞いたことがあるかと思いますが、
それが何なのか?知らない方といるかと思いますので説明をしていきたいと思います。
スコッチとは、スコットランド地方で作られるウィスキーの総称です。
さらに大きく分けると
・モルトウィスキー
モルト(大麦麦芽)だけを原料として作られたウィスキー。通常発酵後にポットスチル(単式蒸留器)で2回蒸留し、樽で熟成させたウィスキー。
スコッチモルトの特徴を決めるものとして、各地域のピート(泥炭)があります。大麦を浸水し、発芽させ、その発芽を止める為に乾燥をさせますが、その際に用いられるのが、このピート(泥炭)です。(ピートは、その土地の植物が堆積し、できた物です。)
参考:
このピートの焚く量や時間によってもフレーバーに変化が出てきます。
また、ポットスチルにもさまざまな形が存在し、それぞれの特徴がある為に、各蒸留所毎に味の特性が出てきます。
参考:ポットスチル(単式蒸留器)
その為、単一の蒸留所で作られたもののみで作られているモルトウィスキーの事を『シングル・モルト(single malt)』と呼びます。
複数の蒸留所のものを混ぜて作られたモルトウィスキーは、バッテッド・モルト(vatted malt)と呼ばれます。
※このスコッチモルト・ウィスキーもさらにいくつかの地域に分けて分類することができますので、こちらに関しては、今後、記載していきたいと思います。
・グレーンウィスキー
グレーン(grain)の名の通り、穀物(コーン、大麦、小麦等)から作られるウィスキーです。
モルトウィスキーとは違い、連続式蒸留器を使い、大量生産することができます。
参考:連続式蒸留器(パテントスチル)
ピート香はつけず、高濃度に蒸留しますので、風味はマイルドでソフトになります。このままでボトリングされて販売されているものもありますが、この後で記載しますブレンデッド・ウィスキーにされるものが多いです。
基本的には、工業的に手間をかけず、大量に作ることができるので安価なものが多いです。最近はモルトウイスキーが売れすぎてしまっているため、後述のブレンデットウイスキーのモルトの原材料が不足してしまっているために余ったグレーンウイスキーが単体で販売されることも出てきています。
・ブレンデッド・ウィスキー
さまざまな個性を持ったモルトウィスキーとグレーンウィスキーをブレンドをして、造るウィスキー。
荒削りなモルトだけだと嗜好が大きく分かれてしまう為、それぞれのモルトの個性を融和し、そこにライトでニュートラルなグレーンウィスキーを混ぜることによって、多くの人が飲みやすくなるようにブレンドをしています。
ちなみに私の個人的なおススメはバランタインです。30年は絶品ですが、何せお値段が。。。。
機会があったら、お試しください。
ブレンデッド・ウィスキーのブレンドを決めているのが、各メーカーのマスターブレンダーです。じつはすごく奥の深い仕事で、各蒸留所からあがってくるウィスキーは同じ蒸留所のものでも樽ごとにアルコール度数や熟成の度合いが違う為、味がまちまちです。それらをうまくまとめて常に同じ味わいを再現しなくてはなりません。
また、将来のウィスキー作りの為に現在から、仕入れを行わなくてはいけません。樽に入ったウィスキーが将来的にどう変化するのか?を推測すると共にどれくらいの量が必要になるのか?と言ったことまで考え無くてはならないと言う非常に高度な技術と知識、経験も必要な職業です。
そして、当然ながらその舌や嗅覚の鋭さは、常人には考えられないレベルだそうです。
私が以前聞いた話で、バランタイン社の2代前のブレンダーでジャック・ガウディという方の逸話があります。(現在は5代目になり、ロバート・ヒックスさんになっているそうです。)
ある日、いつもと同じように新酒のテースティングを行っていましたが、今日作られたものは、わずかだがゴム臭がすると言う事で、なんかおかしいと言う事で蒸留所でよく調べたところ、ポットスチルの中に輪ゴムが混入していたと言うことや
今日は、わずかに花の香りがすると言うことで、蒸留所を調べてみると、特に変わったことが無かったのですが、そんな訳はないと言う事で、さらに水を調べていくとその水を取水している川の上流で花が咲いていた。何って事があったそうです。
恐るべし、嗅覚。。。。
こんな方が精魂こめて管理していると考えると改めてブレンデッド・ウィスキーってすごいと思えませんか?
美味しいウイスキーには、原材料から最終調整まで様々な人の手をえて美味しくなっているんですね。どんな安いお酒でもそれを美味しくするために様々な人の努力を得て製品になっているのです。感謝を忘れずに飲みたいですね♪
ということで、それでは、また!!