Vol.11ラム(Rum)について①
※かつてアメブロに投稿していたものを移行しています。
ジン・ウォッカと書いてきましたので、今回もホワイトスピリッツからラム(Rum)について書いていきたいと思います。
・ラムは何から作る?
ラムはサトウキビを原料として作られる蒸留酒です。
元々は西インド諸島あたりの地酒です。最近、よく飲まれるようになったカイピリーニャーというカクテルのベースになっているブラジルのピンガ(pinga)も同類のお酒です。
以前にアルコール発酵について書いていますが、お酒作りの基本はブドウ糖を酵母菌が食べ、二酸化炭素とアルコールを出すといった発酵を利用しています。穀物類(でんぷん質)からは直接アルコール発酵が進まない為、糖化という工程が発生しますが、サトウキビ場合はそもそもが糖分なので、糖化の工程が必要ありません。という事で、サトウキビの絞り汁をそのまま発酵させ、蒸留して作っています。
・ラムの種類
ラム(rum)もテキーラ(tequila)同様樽熟させているものもあります。
種類としては、
・ライトラム:lighit rum(ホワイトラム:white rum)
糖蜜と水を混ぜ、発酵させて醸造酒を作り、それを連続式蒸留機で蒸留した後に内側を焦がしていない樽で短期間熟成させた物を活性炭ろ過を行い、透明にしたものがホワイトラム。
活性炭ろ過をせずにそのまま瓶詰めしたものがゴールドラムになります。
・ミディアムラム:medium rum(ゴールドラム:gold rum)
※ライトラムを参照
上記以外にもライトラムとヘビーラムを混ぜて作るというものもあります。
・ヘビーラム:heavy rum(ダークラム:dark rum)
糖蜜と廃糖液を発酵させ、そこにサトウキビの搾りカスや蒸留残液を加えてさらに発酵を行い醸造酒を作ります。それを単式蒸留器で蒸留し、内側を焦がしたオーク樽(バーボンの廃樽を使うことも)で3年以上熟成させている物です。
・ラムの名前の由来
諸説ありますが、私が効いていたのはこちらの説。
発祥はバルバドス島といわれており、島の住民がこのお酒を飲んで踊り狂っている様子を見たイギリス人がランバリオン(rumbullion:興奮とか、踊り狂う)と表現し、そのランバリオンが縮み、最初の3文字のRUMになったと言われています。
・グロッグ(Glog:カクテルの名前)
ラムの話には必ず出てくると言っても過言ではないカクテルとしてグロッグがあります。今回はその蘊蓄も
18世紀当時イギリス海軍では水兵にビールを支給していたのですが、エドワード・バーノン提督はラム酒に壊血病予防の効果があると信じ、昼食前に約250ミリリットルのラムを支給ていたそうです。(すごい量ですね。。。)
ところが今度はそのお酒のせいで、酔っ払って午後の作業に支障をきたす者が出てきたので、今度はラムを水割りにして二度に分けて支給するようにしました。
それを不満に思った水兵たちはその酒を馬鹿にして、彼が着ているグログラムのマントをもじってグロッグと呼んだのだそうです。
(グログラムとは、粗い目の織物の事)
エドワード・バーノン提督は、オールド・グロッグ(old glog)と言うあだ名をつけられていたようで、そこからネーミングされたようです。
ちなみに今でもグロッギー(glogy)という言葉残っていますが、これもglogを飲んでふらふらになった人の様子から語源が来ています。
ガッツ石松がボクシングのしたいで勝利した時にとったポーズをガッツポーズと名付けたのと同じのりですね。。。
一般的なレシピを載せて置きます。
・グロッグ(glog)
ゴールド・ラム(rum) 30ml
レモンジュース(lemon juice) 10ml
砂糖 (sugar) 1個
クローブ(crove) 2個
お湯(hot water) 適量
シナモンスティック(cynamon stick) 1本
取っ手付きのタンブラーに材料を注ぎよく混ぜる。
シナモンスティックを入れて提供。
※海軍では水割りでしたが、現在は体を温めるドリンクとしてお湯やミルク等で割るホットスタイルが多いようです。
今回はここまで。ラム系のカクテルも酒類たくさんありますので、また今度書きたいと思います。