2020年8月中間(15日まで)の外食web検索マーケット
8月はコロナの影響+お盆休み、そして猛暑といったことが重なり、今までにない環境となっています。8月前半の検索マーケットの数値を取りまとめました。
◎まとめ
【業態系ワード】
・8月前半での先読みは、これまで同様食事系ワードは検索ボリュームを
戻してきている。
・一方で居酒屋等の飲み系ワードは、7月よりも悪化中。(感染者数増加の
報道の影響をかなり受けている)
【利用シーン系ワード】
・利用シーン系ワードは8月前半の段階では7月と比較して回復傾向です。
これまで戻りの悪かったカフェ、ランチといった買い物・お出かけ需要系
ワードが、昨対60~70%くらいだったものが70%~80%くらいまで回復して
来ました。
【グルメ媒体・SNS系ワード】
・グルメ媒体系ワードは、ぐるなびを除き、わずかだが回復傾向。
ただし、今後も以前のレベルには戻らないと予想される。
・SNS系ワードは、6月と比較すると減少しているが、動きとしては昨年を
上回っており、トレンドとしてはまだ、増加傾向。
【テイクアウト、デリバリー系ワード】
・8月上旬は夏休みにお盆休みが重なることもあり、在宅でのテイクアウ
ト、デリバリー需要が伸びています。どのエリアも7月よりも伸ばして
おり、休日にテイクアウト、デリバリー需要が伸びることが分かります。
・テイクアウトをやっているお店がどんどん減ってきているが、検索ボリュ
ームは増えていっているという状況。可能であれば、テイクアウトも継続
していった方が販路の拡大にはつながっていきそう。
・デリバリーもテイクアウトに比べるとまだまだ小さいマーケットである
が、着実に伸ばしている。
・特に『ウーバーイーツ』がこの短期間で『出前館』と同レベルのボリュー
ムになってきており、急成長。
・伸びているマーケットに乗っかっていくのは成長の戦略のセオリー。早め
にUberEats等のオンラインフードデリバリーサービスを活用していく
べき。
1.業態系ワード(東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡)
Googleトレンド (期間2012/1/1~2020/8/15 2020/8/16に取得)
【業態系ワードの推移比較】
食事系の焼肉や寿司といったワードは昨年同レベル近くまで戻してきています。
一方で、青い線が居酒屋ですが、グラフを見て頂くとわかると思いますが、4月に大幅に減少、その後7月にかけて50%~60%くらいまで回復していたのですが、8月の前半での先読みはまた下げています。ピンクの線は昨年の8月の位置です。小さくて見ずらいですが、バル(黄線)も居酒屋同様の動きをしており、飲み需要系はかなり厳しい状況です。
2.利用シーン系ワード(東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡)
Googleトレンド (期間2012/1/1~2020/8/15 2020/8/16に取得)
【利用シーン系ワードの推移比較】
利用シーン系ワードは8月前半の段階では7月と比較して回復傾向です。
これまで戻りの悪かったカフェ、ランチといった買い物・お出かけ需要系ワードが、昨対60~70%くらいだったものが70%~80%くらいまで回復してきています。繁華街の昼間の需要が増えてきていると予想されます。お盆休みが終わった後にもこの傾向が続いてくれれば、いいのですが。。。
3.グルメ媒体・SNS系ワード(東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡)
Googleトレンド (期間2012/1/1~2020/8/15 2020/8/16に取得)
【グルメ媒体系ワードの推移比較】
グルメ媒体系ワードは、昨年と比較して『食べログ』は、半分程度。ホットペッパーは全体としては大分戻してきているがグルメ部分(ホットペッパーとホットペッパービューティーの差分)は減少している。ぐるなびは、落ち込んだまま、一休は徐々に回復と。各媒体毎に微妙に動きは違うのですが、基本検索ボリュームは以前と比べると低い状態です。以前から減少傾向でしたので、今後回復しても以前のレベルには戻らないでしょう。
店舗としては早期に他の流入経路の開拓をしておく必要があるでしょう。googleマップ検索へ移行していっている部分も多く、今後の流れを考えると近隣検索は位置情報と紐づいたメディアへと移行していくでしょう。
最近は、yahooがyahooプレイスに力を入れ始めているので今のうちに登録しておいた方がいいかもしれません。yahooの親会社のソフトバンク傘下に今後シナジーを発揮しそうなLINEやPayPay、DiDiなどがあるので、化ける可能性はあります。
Googleトレンド (期間2012/1/1~2020/8/15 2020/8/16に取得)
【SNS媒体系ワードの推移比較】
SNS系ワードは、昨年対比での全体的なトレンドとしては、上昇傾向ですが、今年の6月対比では7月、8月に関しては減少しています。
コロナの感染者数が増えてきたこともあり、積極的に外食の情報を検索していないのかと思います。
4.テイクアウト、デリバリー系ワード(東京、神奈川、大阪、福岡)
Googleトレンド (期間2015/1/1~2020/8/15 2020/8/17に取得)
【テイクアウト、デリバリー系ワードの推移比較】
8月上旬は夏休みにお盆休みが重なることもあり、在宅でのテイクアウト、デリバリー需要が伸びています。どのエリアも7月よりも伸ばしており、休日にテイクアウト、デリバリー需要が伸びることが分かります。ただテイクアウトに比べるとデリバリーのボリュームはまだまだ小さく、今後さらに普及が進めば大幅に伸びる伸びしろはあるのかと思います。ただ、現状ではどうしてもテイクアウトに比べるとデリバリーの価格は高く、ハレの要素が高いため、より日常で使うようにならないと急激な伸びは難しいかとも思います。
一方、テイクアウトのボリュームは伸びているにも関わらず、イートインが忙しくなってきたからといってテイクアウトをやめていってしまっているお店さんが非常に多いです。せっかく広がっているマーケットにも関わらず、やめてしまうのはもったいないかと思います。今の状況だとマーケット拡大中にもかかわらず、競合店舗数が減少しているといった非常に勝ちやすい状況です。
【デリバリー系関連ワードの推移】
こちらはデリバリー系関連ワードということで、最近よく聞くゴーストレストランやデリバリーアプリの検索ボリュームの推移です。『デリバリー』は先程のグラフとボリュームの比較ができるように入れています。(こちらのグラフでは紫色、先ほどのグラフでは黄色なので注意ください。)
『出前館』の検索ボリュームに対して『ウーバーイーツ』の検索ボリュームが大幅伸びてきていることが分かるかと思います。例外的にまだ、配達開始から間もない(配送エリアの狭い)福岡では伸びてきていません。
まだまだ、テイクアウトと比較するとボリュームは小さいですが、着実に伸びてきています。プロダクトサイクル的にはまだ、導入期であり、徐々に信頼を積み上げていかれれば成長期にはいりさらにマーケットが加速度的に大きくなると思っています。先行者利益ではありませんが、早い段階で自分のジャンルでブランド認知させることができれば、指名検索をされる可能性も高くなり、Uberのアルゴリズムに左右されなくなるといったこともできる可能性があります。とにもかくにもできる限り早い参入をお勧めします。
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