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ADHDは好きなことを仕事にするな
好きなことを仕事にしたADHD。結局うつ病になった。
身バレ防止のために、ここではゲーム企業に入社したことにする。
仕事にしてから気づいたのだが、私が好きなのは、ゲームではなかった。
ゲームをしている時間だけは、誰も私のことを馬鹿にしないし、コミュニケーションを求められないし、頭が空っぽになるし、そういった時間が好きだったのだ。
就職活動の時に「好きなことを仕事にしなよ!」「君は特別だからクリエイティブ業界が向いているよ!」と大人は言ってきたから安直にゲームだと思ってしまった。だけど、私は好きなものなんて何もなかった。
好きなことは寝ることで、休みの日はゲームで時間を潰す。これって、全然ゲームが好きなんじゃなくて、ただ逃避のためにゲームを利用しているだけだった。
ただADHD特有の過集中で人よりもゲームは上手だし、ADHD特有の収集癖で裏技を調べたし、クラスの陽キャはゲームをやらないからクラス内では「ゲームが得意なアンナちゃんキャラ」をいただけて安住することができた。
でもゲーム会社に入社して、本当のゲーム好きと出会って、私とは違うことに気づいた。結局私が一番好きなのは「私」で、「私を一人で居させてくれるゲーム」が、「私をオタクキャラにして変なコミュニケーションする理由となってくれるゲーム」が好きだった。
ゲームに恩返ししたいなんて一ミリも思わない。
ゲームのためなら24時間でも働けると思えない。
あれほど大好きだと思ったゲームでも、仕事なら締め切りがあるし、クソほどにつまらないと思う何かの二番煎じの企画と向き合わないといけないから全然自分のバリューを発揮できない。もちろん残業時間は多かったので、ワーキングメモリが少なくて私の頭だと全然通用しなかった。虚弱体質はより一層ひどくなって、四半期に一度はひどい熱を出した。いろんな人に謝らなければならなかった。
「一人で機能する暇つぶし」が好きな人間が、チームワークで何かを作り上げる
業界で生きていける訳なかった。
ADHDは大好きなことを仕事にしろ。ゲームでも料理でもなんでもいい。ADHDは大好きなことなら過集中できるんだよ。普通の人よりも集中できるから結果を出せるんだよ。だからそれを仕事にしてしまえば、遊んでるだけでめっちゃ結果が出せるみたいな超人モードに突入できるぞ。
— ゆる麻布 (@yuruazabu) November 22, 2024
こういう論調、本当に信用しちゃダメ。
今は普通に働いていれば結構いい給料がもらえるオープンワーク☆高スコアのホワイト企業に勤めているけど、そっちの方が全然幸せだ。
誰も私のことを馬鹿にしてこないし、リモートワーク可能だから私を一人にしてくれるし、スペシャリスト職だから「ここからここまでやったらもう帰っていい」と認められるし。
ADHDは好きなことには集中できる?!そんなばかな。
私が好きなことは「ダラダラすること」「楽して人よりいい暮らしをすること」「他人を出し抜くこと」「外見を褒められること」「お姫様扱いされること」だ。性格が悪かろう。でも、これが私なのだ。
ゲームのためなら何が合っても頑張って過集中できるような聖人君主ではない。
全然興味がない仕事でも、人よりもいい給料をもらって綺麗なオフィスで可愛い服を着て出勤できるのであれば、それが過集中スイッチを押してくれる。
ADHDの諸君は、自分の根源的な欲望に向き合って適職を見つけてほしい。
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