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第91回 ハル・ノート

1941年11月26日、日本にコーデル・ハル国務長官から、最後通牒とも言える過酷な内容のハル・ノートが正式に送られてきました。
「満州を含む中国侵略、またフランス領インドシナ、更に三国同盟を放棄して10年前の状態に戻しなさい」
しかしこれは、アメリカ議会には公に発表されず、ひたすらローズベルト大統領とその側近の極秘事項でした。戦後、ハル・ノートが公表された時に
「これでは日本を追い詰めたようなものではないか。アメリカは戦争をさせたくて仕方なかったんだな。日本が攻撃しても仕方がない。どんな小さな国でもここまで言われたら立ち上がるだろう」
という声が多く上がりました。
ですが一本気で純朴な日本はそれをアメリカ全体の総意と鵜呑みにしていましました。長らくの鎖国が外交感覚を鈍らせていました。
欧米の真似をして中国侵略をしたのに、今更引き返せません。

「座して死すか、それとも戦うか」
二者択一ですが、大本営の危険な答えは決まっていました。そして大国アメリカに勝つためには、卑怯だけれども奇襲戦法しかないという結論になっていきました。(続く)

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