第18回 ローズベルト大統領のニューディール政策
アメリカでも、失業者が3割を超え、世界恐慌に無策の共和党のフーバー大統領への不満が募っていました。
そして1932年11月、民主党候補選を勝ち抜いた、ローズベルト(ルーズベルトが通常でしたが、本当はこう発音するという説に従います)は美声で弁舌爽やかなので当時人気だったラジオ番組でこう訴えます。
「大統領に就任したら、1年以内に恐慌前の水準に戻します」
こうして選挙戦を圧勝。1期しか務めていないフーバーを押しのけて大統領の座に就きます。
ローズベルトはまず銀行業務を停止させて経営実態を調査させます。そして1週間で預金の安全を保障しました。その時でも「銀行の取り付け騒ぎ」はあり、倒産を心配する預金者が殺到して引きだし、それで本当に銀行が倒産してしまう事があったのです。
続いて、公共事業に取り組みました。テネシー川の開発で、何と32個ものダムを作らせたのです。昔、よく授業で、反対派が「ダムを作っても、ム・ダ・だ!」なんてダジャレを言って生徒を起こしていましたが。
失業者を大量に雇えた効果は素晴らしく、景気は上向きになってきました。またダムで電力の供給もできるようになりました。
ヨーロッパのヒトラーと並んでアメリカのローズベルトは恐慌を回復させた人となっています。しかし最近の研究では、ニューディール政策を過大評価していてその効果は限定的なものであり、真にアメリカが回復したのは1919年に始まった第二次世界大戦からではないかと言われています。(大量の武器生産とヨーロッパへの販売などで) (続く)
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