第123回 新しい原爆材料プルトニウム
無用の長物と思われていたウラン238からプルトニウムが開発されました。その銀白色の放射性を含む人工元素は希少なウラン235と比べて、安価で量産できる原爆の材料と期待されました。
1942年12月28日、グローブスの斡旋で、デュポン社がそのプルトニウムの大量生産計画を必要経費以外で何と1ドルの契約料で受託しました。
ローズベルトの五男とデュポン社の娘とは結婚していました。
しかしデュポン社がプルトニウムの生産を極端に安価に引き受けたのは、ローズベルトへの義理もありますが、第一次大戦で根付いた「死の商人」の汚名を返上すべく、儲けを度外視した、戦後の名声を意図したものでした。結局原爆の完成でまた多くの人が亡くなりましたが。
シカゴ大では限界があり、大量の冷却水が必要という事で、太平洋に近いコロンビア川を利用できるワシントン州ハンフォードに広大なプルトニウム生産工場が造られたのでした。
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