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第135回 イギリスでの原爆開発
1943年9月29日、ユダヤ人の母を持つニールス・ボーアはしだいにユダヤ人迫害が母国デンマークにもひどくなってきたので、スウェーデンに逃れました。
一方、オッペンハイマーは原爆実験の名前にかつての恋人ジーンから聞いた「トリニティ・・三位一体」と付けました。すぐに原爆と分からないように。けれどオッペンハイマーは宗教ではその頃、ヒンドゥー教に惹かれていました。
10月6日、ボーアはスウェーデンから更に安全なイギリスに亡命しました。そこでボーアは原爆研究が予想以上に進んでいる事に驚愕しました。
ボーアは教え子だったフリッシュ(リーゼ・マイトナーの甥)に尋ねました。
「ロベルト、君は原爆を造っていて平気なのかい?恐ろしい殺戮兵器なんだよ」
「でも先生、ナチスが先に造ったら世界中のユダヤ人が殺されてしまいます。これを防ぐには僕たちが先に造らなければいけないんです!」
フリッシュの固い決意の表情をボーアは呆然と見つめました。(続く)