DPP4阻害薬と類天疱瘡の関連-症例の経過と関連の強さ、及び危険因子について

 類天疱瘡は、皮膚の表皮と真皮の境にある基底膜部のタンパクに対する自己抗体により、皮膚や粘膜に水疱やびらん、紅斑を生じる自己免疫性水疱症である。水疱性類天疱瘡、粘膜類天疱瘡、後天性表皮水疱症に分類されるが、その多くの症例が水疱性類天疱瘡である。

 近年、2型糖尿病治療薬であるDPP4阻害薬と水疱性類天疱瘡との関連性が疑われている。2016年には、厚生労働省により、重大な副作用の項に「類天疱瘡」の追記を求める添付文書改訂指示が出ている。実際、我が国においてもDPP4阻害薬が原因と考えられる水疱性類天疱瘡症例が複数報告されている【1】【2】。

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