季節性アレルギー性鼻炎に対する鼻噴霧ステロイド製剤の販売対応は?
真冬と呼ぶべき季節のわりには、日中は暖かい時間帯も多い年末年始という北関東です。2023年の夏は、全国的に記録的な猛暑でしたが、スギ花粉の飛散開始は例年並み、飛散量はやや多いという予測になっています(2024年 春の花粉飛散予測【第2報】) 。
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)に対するOTC薬品の選択肢は多く、患者(お客)さんから相談を受ける機会も増える時期かと思います。近年では、内服薬に加えてステロイドを配合した鼻噴霧製剤のラインナップも充実してきました。
2019年11月に販売が開始されたフルナーゼ点鼻薬<季節性アレルギー専用>は、フルチカゾンというステロイドを配合した鼻噴霧製剤であり、医療用として広く用いられていたフルナーゼ点鼻液のスイッチOTCです。
販売が開始された当初は要指導医薬品に分類されていましたが、段階的に規制緩和を経て、2023年5月には指定第2類医薬品へと、リスク区分が変更されました(令和5年度第2回医薬品等安全対策部会安全対策調査)。
OTC医薬品として販売されているフルナーゼ点鼻液の適用は、季節性アレルギー性鼻炎のみとなっているため、同薬の添付文書には「『季節性アレルギーによる症状か他の原因による症状かはっきりしない人』は、使用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」。との記載があります(グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社)。
ステロイドとしてベクロメタゾンを配合した鼻噴霧製剤であるナザールαAR0.1%〈季節性アレルギー専用〉の添付文書でも、同様の記載を見つけることができます(佐藤製薬株式会社)。
一般的に、スギ花粉は2月の中旬ごろから飛散が開始します。しかし、ウイルス性の上気道炎(一般的な風邪やインフルエンザ)の流行と重なることも多く、鼻の症状がウイルス感染によるものなのか、花粉によるアレルギーによるものなのか、その判別には注意を要します。
今回の記事では、季節性アレルギーによる症状か他の原因による症状かを判別するためのロジックと、鼻噴霧ステロイドのエビデンスを整理します。
季節性アレルギーによる症状を判別するロジック
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