インフルエンザ感染症に対する麻黄湯の有効性:システマティック・レビュー

[背景]本邦で医療用として用いられている麻黄湯は、キョウニン、マオウ、ケイヒ、カンゾウから構成される漢方製剤であり、インフルエンザ感染初期の症状緩和に保険適用を有する。
 麻黄湯には基礎的研究において抗ウイルス作用が示唆されており【1】【2】インフルエンザ治療における選択薬となる可能性を秘めている。
 しかしながら、インフルエンザ感染症における上気道症状や発熱、関節痛などに対する麻黄湯の効果は不明な部分も多い。従って、インフルエンザ感染症における麻黄湯の臨床的な有効性について、システマティック・レビューを行いその知見を整理した。

【方法】PubMed、J-STGAEを使用して2019年1月30日までの検索結果をレビューに含めた。検索語は、PubMedについては「Chinese Herbal Influenza」とし、人を対象にした臨床試験に限定した。J-STAGEについては「インフルエンザ 麻黄湯」で検索を行った。さらにGoogleによる包括的な検索を行い、論文の参考文献リストも参照した。

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