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副作用を主作用に転換!?斬新な発想で爆誕した睡眠改善薬の実力は?

 新年度がスタートし、新たな環境で仕事をされる方も多いかと思います。一方、職場環境や生活環境がガラリと変わると、心理的なストレスも増えるかもしれません。
 
 外から受ける刺激によって、体が緊張状態になることをストレスと呼びます(厚生労働省. こころもメンテしよう)
 ストレスをもたらす刺激は、天候や騒音などの環境的要因、病気や疲労感などの身体的要因、不安や悩みなど心理的要因、人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因に分けることができます。ストレスは人の健康に様々な影響をもたらしますが、不眠はその代表的な症状の一つです(Han, et al.2012; PMID: 23319874)
 
 不眠症状の改善を目的としたOTC医薬品として、ジフェンヒドラミンを主成分とした睡眠改善薬を挙げることができます。睡眠改善薬は、不眠症の治療薬である睡眠薬(医療用医薬品)とは異なり、寝つきが悪い、眠りが浅いなど、一時的な不眠症状の緩和を目的として用いる薬剤です。
 
 日本で初めて製品化された睡眠改善薬はエスエス製薬のドリエル®です。同薬は、2003年4月に販売が開始されており、当時の僕は薬学生でした。
学生ながらに「ジフェンヒドラミンかよ……」なんて思ったわけなのですが、副作用を主作用に転換するという発想は、医薬品開発の歴史を振り返っても、あまり例のない稀有な存在だったといえるかもしれません。主作用と副作用という区別もまた、薬剤効果に対する視点の違いにすぎず、その線引きに対する客観的な基準があるわけではありません。
 
 現在では、ドリンクタイプの睡眠改善薬も登場するなど、その販売選択肢は大きく拡大しています。睡眠改善薬の標的マーケットである睡眠市場も拡大しており、生活者の関心も高い医薬品群かもしれませんReport Ocean.2022年3月3日
 今回の記事では、ジフェンヒドラミンを配合した睡眠改善薬のエビデンスを解説し、その販売ロジックを整理したいと思います。

睡眠改善薬としてのジフェンヒドラミンの有効性は?

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