プロバイオティクスの基本は「人には人の乳酸菌」!?膨大なエビデンスと参考にならないデータの理由
十分な量を摂取したときに、宿主(例えば人間)に対して有益な効果を与える生きた微生物をプロバイオティクスと呼びます。
一般的には、人の健康状態に良い影響を与える微生物(善玉菌)や、それらを含む食品および飲料、医薬品を製剤(整腸剤)のことをプロバイオティクスと呼んでいるように思います。
プロバイオティクスの例として、乳酸菌や納豆菌などを挙げることができ、これらの細菌を有効成分として配合した医薬品や健康食品の種類も豊富です。
一方で、プロバイオティクスの種類によって、効能効果に違いはあるのでしょうか。例えば、乳酸菌といっても、カゼイ菌やフェーカリス菌など、その種類は膨大であり、全ての菌種について質の高いエビデンスがあるとは限りません。
実際、疾患別に推奨できるプロバイオティクスについて、一貫したコンセンサスは得られていません(Sniffen, et al.2018; PMID: 30586435/ McFarland, et al.2015; PMID: 25922406/Hojsak, et al.2018; PMID: 29446865)。つまり、風邪の予防に乳酸菌シロタ株が良いのか、プラズマ乳酸菌が良いのか、はっきりしたことは分からないということです。
今回の記事では、プロバイオティクスの有効性を評価するうえで留意すべき論点を整理し、プロバイオティクスを配合した市販薬やサプリメントを販売する際の基本的なロジックをまとめます。
人には人の乳酸菌が良いのか?
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