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知っておくべき薬のリスク!薬剤による逆流性食道炎と薬剤性食道炎のマネジメント
胃食道逆流症(以下、GERD)は、プライマリケアでも遭遇頻度の高い疾患の一つです。GERDは、患者の生活の質を低下させる強い原因であり、胃内容物の逆流に伴う合併症を特徴とします。
内視鏡的に食道の粘膜の損傷が確認された場合では、逆流性食道炎と診断されることになり、重症化すると消化管出血や食道狭窄、バレット食道などの発症リスクを高めます。
逆流性食道炎と診断された152人を対象に、10年にわたる経過を調査した研究(McDougall NI, et al.1996; PMID: 8707073)によれば、18 人が死亡し、2人が食道狭窄を発症し、1 人がバレット食道を発症しました。また、少なくとも毎日の胸やけ症状をきたした人が32%を占め、胃酸分泌抑制薬の投与を毎日必要とする人が20%を占めました。
逆流性食道炎の危険因子は多岐にわたりますが、薬剤性の逆流性食道炎も少なからず存在します。
今回の記事では、薬剤使用に関連した逆流性食道炎のリスクを考察したうえで、逆流性食道炎を含めた薬剤性食道炎の管理アプローチを整理します。
逆流性食道炎の有病割合と薬剤使用の関連性
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