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【コラム】複数の研究データを統合する!?システマティックレビュー・メタ分析の論文を読むうえで大切なこと
この【コラム】では、これまでに医薬品の有効性に関して参考となるエビデンス、すなわちランダム化比較試験の論文と、医薬品の副作用に関して参考となるエビデンス、すなわちコホート研究の論文について解説してきました。
これらの論文は、単一の研究についての詳細を報告した資料であり、原著論文(original article)と呼ばれます。
一方、単一の研究だけでは、はっきりとした示唆が得られないことも少なくありません。たった一つの原著論文を参照するだけで解決できてしまう前景疑問は、むしろ少ないと言っても良いでしょう。
ある薬によって明確な有効性が得られるのであれば、わざわざランダム化比較試験を実施する必要はありません。(高所から飛び降りる際に)パラシュートが死亡リスクを減らすことは誰の目にも明らかであり、パラシュート装着による死亡リスクの低下効果をランダム化比較試験で検証する必要はないでしょう(Smith&Pell.2003;PMID: 14684649)。
ランダム化比較試験を実施しているということは、「検討している医薬品の治療効果が明確はない」ということの裏返しでもあります。雑に言えば、薬とプラセボ、効果としては五分五分だからこそ、ランダム化比較試験の実施が正当化されているのです。
一つの研究だけ眺めていても良く分からないのであれば、他の研究も参考にする必要が生じます。複数の原著論文を集め、それぞれのデータを見比べてみる……という作業です。
しかし、膨大な医学論文の中なら、お目当ての論文だけを選びだし、その全てに目を通すことは大変な作業かもしれません。そのような時に役立つ論文が、システマティックレビュー・メタ分析の論文です。
今回の【コラム】では、システマティックレビュー・メタ分析について、その概要を解説したいと思います。
複数の研究データを集めるという作業
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