三井のリハウスのCM
これはシリーズになっている。今はおじいさんが孫と遊んでいるバージョン。赤ちゃんよりも少し大きい子供が、おじいさんの顔を触って遊ぶ。されるがままのおじいさんが幸せそうだ。
自分の子供には多分見せなかったであろう顔。「まさか俺がじいじとは~」と流れる音楽、歌詞、歌い手の声が本当によく画面に合っていて、リアルなじじと孫に見える。
一つ前は、定年間近の夫婦の物語。これは少し長いバージョン。愛読している雑誌をひとまとめにして妻に捨てられ、それをごみ捨て場で発見しても、「え」しか言えず、妻に直接文句を言うことができない。友達と楽しく過ごす妻に比べ、定年後は居場所がなくなった夫。たった30秒の中に、定年前後の多くの夫婦に起きるであろう、いろいろなすれ違いをちりばめてある。
そして私が一番好きだが、まともに見れないのが、鶴田真由さんが出るバージョン。一人息子が大学に受かって、家を出る。
駅まで夫婦で送っていく時の、車の中の会話は聞いていられない。あれこれ心配する母親に向かって、母が何かを言う前に「わかってる」と遮る息子。そして最後に父親に、母親のことを頼む。
初めてこのCMを見た時は、最初から最後まで号泣した。何度見てもそうなんだけど。
自分も同じような立場にいるから。音楽も独特で、ああこのCMだとすぐわかる。だから家事をしていてもこの曲が流れると、テレビの前に飛んでいく。そして画面を凝視しながら、泣いてしまう。誰がこれ作ったんだろう。なんでこんなに母親の気持ちがわかるんだろう。見たいけど見たくない。春の進学の時期によく流れたので、本当にすごく困った。
家を住み替える時は、家族の形が変わるとき。だからこれはある程度年齢が高い人に向けたCMだろう。若い人には、どうってことないのかもしれない。
子供の進学、夫の定年、孫の誕生。その渦中にいる人は、画面の人物と自分が重なる。いろいろな出来事が思い出されて、どうしようもなくなる。ただその後リハウスした楽しそうな様子が映され、「家族はつづく~」って言ってくれるから、救われる。
ただ、せっかく短くていいドラマを見せてもらった、みたいな気分になってるところに「三井のリハウス~」と明るく入るから、ブツッと感動が切れちゃうけどね。