46歳、スタートアップへの転職 - Vol.1 きっかけ編 -
▼はじめに
・自己紹介
私は現在47歳。200名規模のスタートアップで法人営業組織の課長をしています。
社歴は3社経験。新卒で総合スーパーに就職後、30歳で人材サービス業に転職。
昨年5月に46歳でSaaSサービスを提供する現職に転職し、今に至ります。
40代半ばでのSaaSサービスを提供するスタートアップへの挑戦。社員数も入社当初は90名でした。スタートアップでの業務は、毎日が刺激的で充実しており、
あっという間に1.5年が経過した、というのが率直な今の感想です。
・なぜこのテーマで書くのか
ここ数年、人生100年時代と言われ、40代での転職、スタートアップ企業への転職を考える人が増えてきていると感じます。
そんな時代のせいか、今回40代半ばで転職活動をしたことや、転職後の感想などを、社内外問わず色々な方から聞かれることが多くあります。聞かれるたびに自分の考えを整理をしておく必要があるな、と感じていました。
そこで、今回の転職に関連するテーマでnoteを書くことにしました。内容は全て私個人の体験談として書きます。
▼転職を考えた2つのきっかけ
・40歳、不惑ではなく惑い、悩む
2015年、40歳の誕生日を迎える頃、転職を考えるきっかけがありました。40歳は“不惑“と言われますが、今振り返ると、私にとっては不惑とは程遠い1年で、自身に向き合い始めた1年であり、転機となる1年でした。
そのきっかけは、社内異動です。
私は2015年に、ある地方支社の支社長ポジションに就くことになりました。
この社内異動は私にとって2つの意味がありました。
1つめの意味は、念願叶った異動であった、ということです。
私は2、3年後のキャリアイメージとして支社長ポジションに就きたいことを目標設定シートに書き続けていました。なかなか自分の希望は叶わないだろうな、と考えていたので、異動が実現した時は、まるで双六のゴールに到達した時の達成感のような感覚を持ちました。
しかも担当する支社は、2006年に立ち上げに関わっており、故郷に錦を飾るような感覚があり、ますますゴールに到達したかのように感じました。
2つめの意味は、自分のキャリアの限界に到達した、と感じたことです。
私は2社目の人材サービス企業に30歳で転職し、36歳で課長になっています。勤めていた企業には当時、20代後半で課長、35歳前後で部長、40歳手前で執行役員、という暗黙の登用基準がありました。この暗黙の基準に照らし合わせると、私の36歳での課長登用は完全にイレギュラーでした。だから、課長になった時点で年齢的に部長に登用されることはないだろうな、と考えていました。また、課長と部長の間の位置付けになる支社長ポジションが到達できるキャリアの頂点になるだろう、とも考えていました。
暗黙の年齢基準は当時勤務していた企業の独特のものだと思うので他企業に勤めていたら感じなかったかもしれません。また、結局私は43歳で部長に登用されていますので、今振り返ると、勝手に決めつけて自分で可能性を狭めていた、という感は否めません。
40歳での社内異動が私にとって人生やキャリアについて考えるきっかけとなり、46歳での転職のきっかけとなりました。支社長への内示後しばらくは念願叶った嬉しさと高揚感で満たされていましたが、日が経つにつれ不安や悩みが増していき、日によって感情が変わる、そんな不思議な感覚を覚えながら毎日を過ごしていました。
・42歳、人生について深く考える
私は2018年の春に父を亡くしています。病気発覚からわずか1ヶ月半の出来事でした。入院中の弱っていく父を見ながら頭の中をぐるぐる回っていた父の言葉があります。そして父がその言葉を発したシーンは今でも鮮明に覚えています。
“こんなことになるとは思わなかった“
どんな状況で発された言葉なのか、という説明は省きます。この言葉の裏に父のどんな思いがあったかは聞いていません。聞けなかった、というのが正直なところです。
父は祖母の介護のために仕事を辞め、家族と離れ、自身の実家で介護をしていました。父が亡くなってから知ったことですが、父は祖母の介護でお世話になっていた福祉法人の事務全般を自ら申し出て手伝っていました。過去の経験を活かして、事務手続きや作業の改善、データ化などで多大なる貢献をしていたようで、とても感謝されていました。初めて父をスゴイなと思った出来事でした。
私は、父の死によって突然人生が終わることがある、ということを知りました。
だからこそ、後悔なく生きていきたい、何歳になっても輝ける場所を持てる人材になりたい、ということを強く思い、考えるようになりました。
・46歳で16年間勤めた会社を辞めるきっかけ
今まで書いてきたように、私が転職を考えたきっかけは2つです。
1つめが、40歳での社内異動によってキャリア形成の限界を感じたことです。
社外でのキャリア形成、自身の市場価値について考えはじめました。
2つめが、43歳の時の父の死です。この経験が転職を考える大きなトリガーになったと言えるかもしれません。誰のために何のために働くのか、自分は何をしていきたいのか、どんな状態で死んでいきたいのか、など人生について考えることが増えました。
これら2つのきっかけにより私は42歳で転職を本気で考えはじめます。
しかし、結局転職をするのは46歳です。
次回は転職活動を本格化するまでの経緯について書こうと思います。