都会で忙しくしている自分が好きだった
スケジュール帳はいつも真っ黒で、白い部分にはどうにかして予定を詰め込んでいた。
マンスリー欄だけでは飽き足らず、ウィークリー欄までびっちり書き込める分厚い手帳を常に持ち歩いていて、その手帳は友人たちから「図鑑」と呼ばれていた。
カレンダーに空欄があると、自分の心もぽっかり穴が空いてしまう気がして。
分刻みのスケジュールをこなしていれば、先のことは何も考えなくて済んだし、疲労感と成長が比例していると感じていた。
都会の暮らしはやることが多い。というよりは、その気になれば無