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生成AI RAGとは?

RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、生成AIが外部データを検索して回答を生成する技術です。通常の生成AI(LLM)は事前に学習したデータのみをもとに応答しますが、RAGはリアルタイムで検索した情報を組み合わせて、より正確で最新の回答を提供できます。


出来ること(特徴とメリット)


❶最新情報の活用

通常の生成AIは学習時点の情報しか知らないが、RAGは最新データを検索して回答可能。


ニュースや法律の変更など、常に最新情報が必要な分野で活躍。


❷企業データの活用

社内文書・FAQ・データベースなど、特定の情報を活用して回答が可能。


カスタマーサポート、社内ヘルプデスク、ナレッジベースの検索など。


❸精度向上と誤情報の削減

検索した信頼できる情報を活用し、より正確な回答を生成。


医療や金融など、誤った情報が許されない分野での利用。


❹コスト削減

大規模なモデルを再学習しなくても、外部データを組み合わせることで最新の知識を得られる。


LangChainとLangGraphによるRAG・AIエージェント[実践]入門 (エンジニア選書) ↓


使い方(基本の流れ)


❶データの準備

FAQ、PDF、ウェブサイト、データベースなど、参照したい情報を整理する。


❷RAG対応のAIツールを選ぶ


LangChain(Pythonライブラリ)、LlamaIndex、Microsoft Azure OpenAI、Google Vertex AIなど。


❸情報検索の設定

どのデータソースを使うか決め、検索エンジンやベクトルデータベース(例:FAISS、Pinecone)を設定する。


❹生成AIと組み合わせる

OpenAI GPT-4、Claude、Geminiなどの大規模言語モデル(LLM)と統合する。


❺テストと改善

正しく情報を取得できているか確認し、検索アルゴリズムやプロンプトを調整する。


LLMのファインチューニングとRAG: チャットボット開発による実践 ↓


サンプルコード(Python + LangChain)

以下は、RAGを使ってPDFから情報を検索し、GPT-4で回答を生成する例です。

from langchain.document_loaders import PyPDFLoader
from langchain.embeddings.openai import OpenAIEmbeddings
from langchain.vectorstores import FAISS
from langchain.chains import RetrievalQA
from langchain.chat_models import ChatOpenAI

# PDFを読み込む
loader = PyPDFLoader("example.pdf")
documents = loader.load()

# ベクトルデータベースを作成
embeddings = OpenAIEmbeddings()
vectorstore = FAISS.from_documents(documents, embeddings)

# RAGによる質問応答システム
qa = RetrievalQA.from_chain_type(llm=ChatOpenAI(), retriever=vectorstore.as_retriever())

# 質問をする
query = "このPDFの主要なポイントを教えて?"
response = qa.run(query)
print(response)

例題(実際の活用例)


❶カスタマーサポート(FAQ検索)

質問
「製品Aの保証期間は?」

通常のAI
「一般的に保証期間は1年です。」(正しいとは限らない)

RAG
社内FAQから検索 → 「製品Aの保証期間は2年間です。」(正確な回答)


❷社内ヘルプデスク

質問
「今月の経費精算の締切は?」

RAG
社内ポータルの最新情報を検索 → 「2025年2月25日が締切です。」


❸法律・規制情報の検索

質問
「2025年の税制改正のポイントは?」

RAG
政府の公式サイトを検索し、最新の税制情報を要約。


世界一やさしいRAG構築入門 ── Azure OpenAI Serviceで実現する賢いAIチャットボット ↓


価格(導入コスト)

無料で試せるもの
OpenAIのAPI + Pinecone(無料枠あり)
・LangChain(オープンソース、無料)

有料サービス(目安)


注意点(導入前のポイント)

❶データの準備が重要
検索対象のデータが古いと、RAGの回答も古くなる。
❷適切な検索設定が必要
関係ない情報を引っ張ってこないように、フィルタリングや検索精度の調整が必要。
❸コスト管理に注意
APIの呼び出し回数が多いと料金が高額になる可能性があるため、適切に管理する。
❹個人情報・機密情報の取り扱い
社内情報を使う場合は、アクセス制限やデータ保護対策を忘れずに。


まとめ(初心者向けポイント)

✅ RAGは生成AIに検索機能を加えた技術で、最新&正確な回答が可能
✅ 企業のFAQ、社内データ検索、最新情報取得などに活用できる
✅ Python(LangChain)を使うと手軽に試せる
✅ 無料で試せるツールもあるので、まずは簡単なデータで試してみると良い

まずは、簡単なFAQやPDFデータを使ってRAGの動作を試してみるのがおすすめです!

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