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AIを使って、作曲家の真似事(著作権の絡みで)

AIを使った作曲は、初心者にとっても効率的に音楽制作を始める手段となり得ます。


①AI作曲の概要

AI作曲とは、人工知能を使ってメロディ、コード進行、リズムパターンなどの音楽要素を生成・補助するプロセスのことです。
これには、以下の2種類のアプローチがあります。


❶自動作曲

AIが音楽をゼロから生成するタイプで、ユーザーが入力した指示を基に楽曲を作成します。
(例:ジャンル、テンポ、雰囲気)


❷補助作曲

ユーザーが提供した素材(メロディ、コード進行など)をもとに、AIがアレンジや補完を行う方法です。

どちらの方法でも、初心者にとっては音楽制作のハードルを下げるメリットがあります。


作曲はじめます! ~マンガで身に付く曲づくりの基本 ↓


②AI作曲に必要なもの


❶作曲用AIツール・ソフトウェア

初心者向けの選択肢として、以下のツールを検討できます。

1. Amper Music
簡単な指示で商用利用可能な音楽を作成できるツール。
ジャンルやムードを選択するだけで音楽を生成。

2. AIVA (Artificial Intelligence Virtual Artist)
映画音楽やゲーム音楽などの作曲に特化しており、クラシック調の音楽も得意。

3. Soundraw
日本語対応で、細かい調整が可能。
AIが生成した曲を部分ごとに編集できる点が特徴。

4. Magenta (Google)
オープンソースのツールで、機械学習を使った音楽生成が可能。Pythonのスキルがあるとカスタマイズの幅が広がる。

5. MuseNet (OpenAI)
様々なジャンルや作曲スタイルに対応し、複雑な音楽も生成可能。


❷ハードウェア

特別な機材は不要ですが、以下の準備をおすすめします。

パソコン

AIツールを動かすための性能が必要(最低限、Core i5以上のCPUと8GB以上のRAM)

MIDIキーボード(オプション)
メロディやコード進行を手動で入力したい場合に便利。


❸音楽知識(最低限)

AI作曲では音楽理論の深い知識がなくても始められますが、以下の基本を理解しておくと成果が向上します。

テンポ(BPM: Beats Per Minute)
曲の速さ。

キーとスケール
曲の調性

コード進行
メロディを支える和音の流れ


純正作曲の技法 ↓


③AI作曲の手順


ステップ1:【目標を決める】

まず、どのような音楽を作りたいかを明確にしましょう。

ジャンル
ポップ、ロック、クラシック、EDMなど

雰囲気
明るい、悲しい、エネルギッシュ、リラックスなど

用途
BGM、ボーカル曲、商業プロジェクトなど

例)「明るくてリラックスできるカフェ向けのBGMを作りたい」


ステップ2【ツールを選ぶ】

目的やスキルレベルに応じてツールを選びます。

初心者の場合は、操作が簡単なAmper MusicSoundrawが良い選択肢です。

中級者以上で、Pythonの知識がある場合はMagentaMuseNetを試してみましょう。


ステップ3【初期設定を行う】

選んだツールで以下を設定します。
1. テンポ
曲の速さを指定します。
(例:ゆったりした曲なら70~100BPM)

2. ジャンルやスタイル
AIに生成する音楽の方向性を伝えます。

3. 楽器構成
ピアノ、ギター、ドラムなど、使用する楽器を選択します。


ステップ4【曲を生成】

設定が完了したら、AIに曲を生成させます。
このプロセスはボタン1つで実行できることが多いです。

自動生成
すべてAIに任せる。

部分生成
たとえば、コード進行だけAIに提案してもらい、自分でメロディを作る。


ステップ5【調整・編集】

生成された曲を微調整します。
多くのツールでは以下のような編集が可能です。

楽器を変更する。
メロディやコード進行を修正する。
曲の長さを調整する。

Soundrawのようなツールでは、AIが生成したパートを簡単に編集できます。


ステップ6【出力】

完成した楽曲をMP3WAV形式で出力し、プロジェクトや共有に使用します。


坂本龍一の作曲技法 (リットーミュージック・ムック) ↓


④AI作曲の注意点


❶クオリティのばらつき

AIが生成する音楽は完成度が高い場合もありますが、時には期待外れな結果になることもあります。
そのため、生成後の編集が重要です。


❷著作権問題

AI作曲ツールで生成された音楽は、ツールの利用規約によって著作権の扱いが異なります。
商用利用を考えている場合、ツールごとの規約を確認してください。

Amper MusicやSoundraw
商用利用可能

MagentaやMuseNet
使用条件が曖昧な場合があるため注意。


❸過度な依存を避ける

AIは作曲を補助するツールであり、すべてを任せると個性のない楽曲になりがちです。
AIが生成したアイデアを元に、自分なりの工夫を加えることが重要です。


林哲司のポップス作曲法 改訂新版 (リットーミュージック) ↓


⑤AI作曲を楽しむためのコツ

少しずつ音楽理論を学ぶ
コード進行やリズムの基本を理解すると、AIツールの出力をより活かせます。

他の音楽を参考にする
自分の好きな楽曲をAIに「学ばせる」ことができるツール(例:Magenta)を活用。

試行錯誤を楽しむ
AIは無限にアイデアを生成できるので、多くのパターンを試して自分の好みを見つけましょう。


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⑥まとめ

AIを使った作曲は、初心者でも簡単に取り組める音楽制作の手法です。

最初はツールを使いこなすことに集中し、少しずつ自分のスキルを磨いていきましょう。

AI作曲を通じて、音楽制作の楽しさをぜひ体感してみてください。

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