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AND 関数、OR 関数、および NOT 関数を IF 関数の使い方



①AND 関数、OR 関数、NOT 関数の基本構造

AND、OR、NOT 関数は論理演算を行う関数であり、条件を評価してTRUE または FALSE を返します。それぞれの基本構造と機能を以下に示します。

AND 関数
構文
=AND(条件1, 条件2, ...)

機能
すべての条件が TRUE の場合に TRUE を返します。

1つでも FALSE が含まれる場合は FALSE を返します。


=AND(A1>0, B1<100)
A1 が 0 より大きく、B1 が 100 未満の場合に TRUE を返します。

OR 関数
構文
=OR(条件1, 条件2, ...)

機能
いずれか1つでも条件が TRUE の場合に TRUE を返します。

すべてが FALSE の場合のみ FALSE を返します。


=OR(A1>0, B1<100)
A1 が 0 より大きい、または B1 が 100 未満の場合に TRUE を返します。

NOT 関数
構文
=NOT(条件)

機能
条件が TRUE の場合は FALSE を、条件が FALSE の場合は TRUE を返します。


=NOT(A1>0)
A1 が 0 より大きくない場合に TRUE を返します。


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②IF 関数との組み合わせ

IF 関数と組み合わせることで、条件に応じた動的な処理が可能になります。

IF 関数の基本構文は以下の通りです。

IF 関数の構文
=IF(条件, 条件がTRUEの場合の値, 条件がFALSEの場合の値)

ここに、AND、OR、NOT を組み込むことで複数の条件を処理できます。


③AND 関数を使用した IF の例

例1: 合格判定
以下のような条件があるとします。
テストの得点 (A1) が 50 点以上
出席率 (B1) が 80%以上

この場合、AND 関数を使用して以下のように書けます。

=IF(AND(A1>=50, B1>=80), "合格", "不合格")

解説
AND(A1>=50, B1>=80) で、両方の条件を確認します。

条件が TRUE (両方の条件を満たしている) の場合、“合格” を返します。

条件が FALSE の場合、“不合格” を返します。


④OR 関数を使用した IF の例

例2: 特典付与
以下の条件を満たす場合に特典を付与することを考えます。
購入金額 (A1) が 10,000 円以上
または、会員ランク (B1) が “ゴールド” である

この場合、OR 関数を使用して以下のように書けます。

=IF(OR(A1>=10000, B1="ゴールド"), "特典あり", "特典なし")

解説
OR(A1>=10000, B1="ゴールド") でいずれかの条件が TRUE であれば、“特典あり” を返します。

条件がすべて FALSE の場合は、“特典なし” を返します。


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⑤NOT 関数を使用した IF の例

例3: 不適合判定
製品 (A1) のステータスが “OK” でない場合、不適合とする場合、NOT 関数を使います。

=IF(NOT(A1="OK"), "不適合", "適合")

解説
NOT(A1="OK") で A1 が “OK” でない場合に TRUE を返します。

条件が TRUE の場合、“不適合” を返し、FALSE の場合は “適合” を返します。


⑥AND、OR、NOT の複合使用

これらの関数は、1つの IF 文で組み合わせて使用することも可能です。

例4: 詳細な合否判定
以下の条件を組み合わせます。
得点 (A1) が 60 点以上
出席率 (B1) が 70% 以上
ただし、特別な理由がある (C1) 場合、出席率は問わない

=IF(OR(AND(A1>=60, B1>=70), C1="特別理由"), "合格", "不合格")

解説
・AND(A1>=60, B1>=70) で基本的な条件を確認します。

OR(..., C1="特別理由") で特別な理由がある場合にも合格とします。

条件がすべて満たされない場合は “不合格” になります。


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⑦使用時の注意点

(1) 参照セルのデータ型
数値や文字列を条件として使用する場合、参照先セルのデータ型が正しいか確認してください。

例: A1>=50 の場合、A1 が数値である必要があります。

例: B1="ゴールド" の場合、B1 に文字列 “ゴールド” が正確に入力されている必要があります。

(2) 空白セルの扱い
空白セルを条件に含む場合、予期せぬ結果になることがあります。

例: =AND(A1>0, B1>0) で A1 や B1 が空白の場合、条件は FALSE になります。

(3) ネストの深さ
AND、OR、NOT を組み合わせると式が複雑になる場合があります。

必要に応じて条件を分割して確認しましょう。

(4) 論理関数の優先順位
Excel では、関数の内側から外側に評価が進むため、複雑な条件式では括弧の使い方を明確にしてください。


⑧まとめ

AND、OR、NOT 関数を IF 関数と組み合わせることで、Excel での条件分岐を柔軟に処理することが可能です。

それぞれの関数が返す結果の特性を理解し、適切に組み合わせることで、複雑な業務ロジックやデータ分析に対応できます。

注意点として、条件の順序やデータ型を意識することで、意図しない結果を防ぐことが重要です。

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