メキシコ麻薬戦争を読む④脱線編【マリファナ合法化の現状】
Drug Policy Alliance ドラッグポリシーアライアンス(2000年にプリンストン大学教授イーサンネーデルマンによって、世界的な麻薬戦争を終わらせるために立ち上げた非営利組織)による調査。
「禁止から進歩へ ~米国の8州とワシントンDCのマリファナ合法化について私たちが知っていること~」を読んでみた。
個人的にマリファナ合法化で気になるポイントは
①マリファナ使用者は合法化前より増えてしまう②マリファナ使用者の影響で犯罪や事故が増える③ゲートドラッグとして機能し、さらなる刺激を求めてコカインなどに手を出す人間が増えてしまうといったところである。
疑問①マリファナ使用者の増減
まだ、合法化して時間が経っておらず調査が不完全であることを認めつつも、「大きな変化はない」という現状であるとしている。中学2年生は10%前後・高校1年生と高校3年生は20%前後と言う数字は合法化前後で変化はない。
ということは犯罪者が減り、税収が増加してメリットが大きいとみえる。
疑問②犯罪や事故は増えるか?
マリファナの影響下での運転はすべての州で違法である。合法化後アルコールおよび薬物の影響下で運転したことで逮捕された数は2年間で16%減少した。暴力をともなう犯罪は記載なし。そもそもマリファナは興奮させて狂暴化させるものとは逆でフラフラ、ふにゃふにゃ系なので暴力とはつながらないということなのかもしれない。
疑問③ゲートドラックとしてほかの薬物を使用する人間は増えるか?
記載なし。
他の薬物に影響を与えたとして記載されているのは「オピオイド」についてである。
合法化によって鎮痛剤としての医療用マリファナが普及し、オピオイドというケシから作られた鎮痛剤の使用量が減少。オピオイドは副作用が強く、使用量が多いと死に至ることもあるため、代替え鎮痛剤として多くの人に求められている。
まあマリファナ合法化賛成団体の調査なので話半分としても、マリファナ解禁が国家堕落につながる重大な変化を与えていることはなさそう。「人間やめますか」的な感じはなさそうだ。世界で、アメリカでこのような現実がある中で日本で薬物に対する教育をどのように行えばいいのだろうか?