学力をめぐる誤解
【中学受験の失敗学】からの紹介です。光文社新書より出版されている瀬川松子さんの作品から書かせていただきます。
~埋められない溝~
『スタートラインは一緒ですから』
塾や家庭教師会社のへの入会を決めかねている親に対して受験産業の人間はしばしばこうした言葉で早期の入会を勧めてきます。
本当にスタートラインは一緒なのでしょうか?入会が遅れれば今一緒のスタートラインの子からとり残されていくのでしょうか?
ちまたであふれているのは合格はあくまで努力次第、頑張り次第ということを強調する言葉ばかり。
『デキ』のいい子と悪い子の間にどうにも埋められない深い溝が存在していることを口にすることは、してはいけないようです。
そして、疲れ親は大きな勘違いをしています。
「偏差値の高い子はどんな勉強法をしているのですか?」
「1日何時間くらい勉強しているのでしょう」
繰り返すこうした質問は勉強のできる子、偏差値の高い子がただ努力によって上位につけているということを前提にしています。
スタートラインですでに差がついていることが分かっていないからこそ、「できる子」と同じ方法で同じ時間勉強すれば、我が子も「できる子」になれると短絡してしまうのでしょう。
どうでしたでしょうか?随分残酷な内容です(*_*)
私もかつて、
「〇〇君はどれくらい勉強しているの?」
「どうやって勉強しているの?」
まさにこの本の中のような質問をしていました。でも、結局その子の勉強スタイルは自分の子供には適応せず、時間もやっている内容も最後まで違っていました。
それは、家庭環境も性格も、得意な科目、苦手な科目、教えてもらっている先生、全部違う。おまけに経済力も違っていたのでマネするなんて到底無理だったんですよね。
でもそれでいいと思うのです。【よそはよそ、うちはうち】日本人が隣の芝生はとても青く見えるものですが、うちもそれなりに青いのです。(#^.^#)
そこに気づくことが大切。本当の子供の実力を知り、今どのレベルを必死でかけ進んでいるのか。それこそ親が個別に理解してあげないといけないところ。自分の子のレベルを正しく知っている親こそが、中学受験を成功させる親なのだと私は思います。