私の好きな言葉

良い文章ってなんだろう。素敵な言葉ってなんだろう。

私は趣味で小説を書くし長いことブログやSNSや言葉を発信するツールでたくさん言葉を書いてきた。自分の使う言葉が好きだし人の言葉を読むことも聞くことも好きだ。

自分が好きな言葉ってなんだろう、って考えたら、ふたりの「推し」が浮かんだ。そのふたりについて考えてたら、私の好きな言葉、が見つかった気がした。

ふたりの赤い人

私が好きなふたりの推し。それは作家・紅玉いづきとアイドル・百田夏菜子だ。

歴で言うと、紅玉いづきを推してる時間の方が圧倒的に長い。初めて『ミミズクと夜の王』を読んだ年齢から計算すると、今年で14年目ということになるらしい。人生の半分以上推してる計算だ。まじか。まじだ。

百田夏菜子の推し歴は……具体的にいつから、という計算が難しい。大学の先輩に動画を見せてもらうようになって、『ももクロchan』という番組を見たり動画を見たりといわゆる「在宅」であった時期が長い。
その頃は楽曲にも今ほどハマってなくてただただ「可愛い高校生くらいの女の子」というライトな好意だった。

「このときには完全に推してた」とはっきり言えるのは映画『幕が上がる』のときだ。
高校時代演劇部だったこともあって原作を読んで「あぁこれは私のための作品だ」と自意識過剰にも思った。舞台『幕が上がる』に行きたくて映画の前売り券を10枚買って大学の友人たちを無理矢理映画館に連れて行ったりした。
その甲斐あって1日だけ舞台のチケットを入手して、誕生日も近い5月半ばに見た舞台『幕が上がる』が私にとっての初現場だった。
映画の公開・舞台の公演が2015年なので、推し歴は5年+αということになる。

「想いを伝える」言葉

ふたりの推しの言葉の共通点は「言葉が易しいこと」「それでいて、感情は120%伝わること」だと思っている。

アイドル、ももいろクローバーZの百田夏菜子は知っている人は知っている、「おバカ」な子だ。オバカキャラ、ではなく、「おバカ」そのものだ。
でも、彼女の持つ言葉は多くの人の心を揺さぶり、虜にしてしまう。

一番有名であろう彼女の言葉は、彼女たちが夢・目標であった国立競技場でライブをした日の言葉だ。

私たちは、天下を取りに来ました。でもそれは、アイドル界の天下でもなく、芸能界の天下でもありません。みんなに笑顔を届けるという部分で、天下を取りたい。そう思います。

(ナタリーの記事には5人のライブ終わりの挨拶が全文掲載されている。上記はほんの一部なので全文読んで欲しい。)

この言葉は6年経った今もグループの行動指針として掲げられている。
この言葉に限らないが、ももクロはライブ最後の挨拶の言葉に台本は用意されておらず、その日感じた物事、感情が素直に言葉になっている。完全なアドリブであり、そこに打算は一切ない。

語彙も少なく、その場のアドリブで喋るという状況において、彼女は120%正解の言葉を選び続ける。「正解」というのは、「相手に伝わる言葉」ということだ。
言葉は「想いを伝える」コミュニケーションツールである。語彙力が豊富な方が「想いを伝えられる語彙を知っている」わけで、もちろん豊富であればあるだけいいだろう。
でも、こと百田夏菜子は関してはそうではない。
彼女は今その瞬間自分が持ちうる語彙の中で、正解を選び続けられる「言葉選びのセンス」を持っている。……と私は思っている。

彼女の言葉を聞く度に私はその気持ちを実感するのだ。

苦くて甘い言葉

そしてそんな百田夏菜子を好きになる9年ほど前に出会った紅玉いづきの小説が、私が「言葉を好きになる」きっかけであり、私が今小説を書きブログを書きTwitterを書きnoteを書いている、その原因たる作品だった。

紅玉いづきの小説はライトノベル作品が多いということもあるし文体ということもあるだろうが、やはり難解な言葉はあまり使われない。
誰が見ても理解できる平易な文章だけれど、それでいてとても美しい言葉だ。私は作品を読む度にその美しさに惚れ惚れしてしまうくらいには紅玉いづきの「言葉」にゾッコンメロメロなんですよ(死語)。

――――――ねえ、あんなにも。あたしあなたに、たべられたかったのに。
『ミミズクと夜の王』
空を飛びたかった。
魔法が使いたかった。
恋をしたかった。
誰かに愛されたかった。
そのすべてが、この小さな紙とインクの中で叶う。嘘は強い。信じる限り、誰よりもなによりも強い。
『ガーデン・ロスト』
ねぇ、あたし、こんなに、チョコレート色の血をしているのに。
こんなところで、こんな風に。生まれてはじめて。
――人を好きになんて、なりたくなかった。
『ガーデン・ロスト』
メリークリスマス。メリークリスマス。
キリスト教徒でもないけれど、神様に祈ってあげる。
幼なじみのあなた。わたしとかつて手をつないだあなた。わたしに席を譲ろうとしたあなた。わたしとわたしの母親をおもんぱかってくれた聖人君子のあなたが。
――絶対に、幸せになりませんように。
『ガーデン・ロスト』

怒濤の『ガーデン・ロスト』引用ですが許してほしい。
ガデロスは刺さる言葉が多すぎるので……。

紅玉いづきの描く少女はいつも等身大で、少女のキラキラとドロドロがない交ぜになった胸中をさらけ出している。
生きることは楽しく可愛いものばかりだけでなく地獄の底を嘗めるような辛さや屈辱を味わうこともある、それでも底から張ってでも前に進もうと足掻く少女たちの言葉は苦くて、でも少し甘い。

乱雑な言葉

私は推しふたりのように言葉を綺麗にまとめられないから、ここまで勢いで乱文を書き散らかしてきました。
なにが言いたかったか、っていうところの話ですが。

うん、改めてふたりの言葉は美しくて大好きだなというのと、私もそういう言葉を書ける人になりたい、という再認識でした。

なぜ突拍子もなく書いたかと言えば、今日は推しメンの誕生日だったので。動機はそれだけ。
これからも愛しています、の意思表明かな。
そしてこれからも書いていきます、とも。

こんな駄文でも気になってくださった方がいましたら、我が推しメンたちをどうぞよしなに。
紅玉いづきが主催した合同同人小説誌『少女文学』の朗読劇配信が7月18日(日)にあるそうです。

きっと素敵な夜になる。


さて、日曜締切の趣味の原稿をほっぽってここまで書きました。わはは。
反省はしてない。
ほら、絵描きの方もあるでしょ? 原稿の息抜きに落書き。
それそれ。
原稿の方は寝て起きたら明日の私が頑張るよきっと。

では、おやすみなさい。

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