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愛の終着駅 三連連唱の調べ[15](短調編)

─言葉の調べ・調べと言葉─
文字の乱れは線路の軋み
[14] 愛の終着駅☆☆☆☆(池田充男/野崎真一、八代亜紀)

https://www.youtube.com/watch?v=nqiV-2MyLQs
  
おそらく曲先。歌詞は言葉少なで、最低限の状況を伝えるのみ。英語の歌詞ならもっと意味内容を盛り込めるだろうところ、1音節に1音ずつしか入らない日本語でのぎりぎりの表出になっています。そういう制約の末の歌詞が聞き手の想像力を掻き立てる。「寒い」のは「私」ではなく相手(あなた)の方、しかし冒頭からガツンと「寒い」と歌われると、寒いのは「私」のようにも聞こえる。なるほど、寒い思いでいるのは「私」か…と、そういう読解・解釈ももはや野暮かもしれず、冒頭3音に「寒い」の語が乗っていること自体が感動の源になっています。歌の言葉の妙。
  
さて、八代亜紀といえば、まずはこの「愛の終着駅」、次いでは「おんな港町」でしょう。「雨の慕情」?「舟唄」??いやいや、曲の力に差があります。ぜひ4つ並べてよく聴いてもらいたいところです。
 
☆☆☆☆(拍頭連唱歌、切分連唱歌)
拍頭単連唱または拍頭複連唱を多く含むもの。
長さ10以上の連唱を含むもの。
切分連唱や切分準連唱を多く含むもの。

↑写真は採譜例です。「原譜」(があるとしてそれ)は不明なままの、あくまで一例です。歌なので本来は符尾を非連桁にすべきですし、拍子も採譜としての可能性の一つに過ぎません。また、適宜オクターブ単位で移動させている場合もあります。その辺りご了承下さい頂きたく…。

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