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三連連唱の調べ[12](短調編) ついて行きたい、ついて行けない ── 七七調拍頭複連唱の醍醐味 ──


 
[11] ついて行きたい☆☆☆☆(たきのえいじ、テン・リー)


https://www.youtube.com/watch?v=jo2snL_YUmQ
 
これも「必殺シリーズ」のエンディングテーマです。強拍拍頭単連唱歌「氷雨」「想い出まくら」の系譜に属するも、さらに連唱度を高めた強拍拍頭「複」連唱歌。曲全体(1コーラス)を20のフレーズに分けるとして、そのうち何と13個が強拍拍頭複連唱、他に拍頭単連唱や準連唱が6個。つまり明確な非連唱フレーズは1つしかありません(→注)。☆印は4つながら、連唱密度は随一といえます。それにしても「ついて行きたい」「ついて行けない」という七七調の反復的語句は拍頭複連唱にうってつけ過ぎる歌詞ですね。また、編曲についても、ヘミオラによる?複雑で断続的な開始による前奏にまず驚き、高弦による16分音符の細かく忙しいパッセージが耳に残ります。歌い出し後の合いの手は容赦無く強奏で割り込み、後奏も、終わり間際でパウゼを置いて中断し、前奏の弦のパッセージの一部リフレインが挟み込まれたり、と、なかなか凝っています。一度聴くと、ついまたリピートしたくなる1曲です。
 
注…「泣いてる」「悲しい」「恋しい」の部分を「楽譜の単連唱を歌手のテン・リーが“崩し”た」と看做し、「帰るあてもない」を「い」も含めて1つの複連唱フレーズとして数えると、非連唱フレーズは「暮らしたい」の1つだけになります。
 
☆☆☆☆(拍頭連唱歌、切分連唱歌)
拍頭単連唱または拍頭複連唱を多く含むもの。
長さ10以上の連唱を含むもの。
切分連唱や切分準連唱を多く含むもの。

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↑写真は採譜例です。「原譜」(があるとしてそれ)は不明なままの、あくまで一例です。歌なので本来は符尾を非連桁にすべきですし、拍子も採譜としての可能性の一つに過ぎません。また、適宜オクターブ単位で移動させている場合もあります。その辺りご了承下さい頂きたく…。

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