鼻声フェチ。
ぼっさんぼっさんの頭のまま、私の持つ中でも最強の上着(from:ワークマン)に身を包み、今、車の中だ。
鼻に長い長い綿棒を突っ込まれてきたところだ。毎回、「そんなに!?」と、目頭から先っぽ出てきちゃうんじゃないかと思うよね。看護師さんの申し訳なさそうな顔。
今朝から、悪寒走って、布団を被っても被っても寒いものだから、嫌な感じしたんだよ。
体温計は37.0度程度なのに、嫌なダルさ。
┈┈┈┈┈┈15分経過┈┈┈┈┈┈
検査は、陰性だった。
明日、また熱があがってくるようなら(一緒に働く母が昨日インフル陽性になったのを考慮すれば検査が早すぎて反応がでない可能性の方が高いかもと)休日診療へかかることをお勧めされた。
「お大事に」
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どうにも寒くて、毛布の上に掛け布団、の上に毛布、さらに掛け布団、のミルフィーユの中でおでこの冷えピタが乾いてきている今。
隣の部屋では家族が、夕食を和やかに食べながら話が盛り上がる声が聞こえる。
37.3度。
ようやく身体が暖まってすこし眠れた。
短い夢をたくさん見た気がする。
ちょっと鼻がつまって、ちょっと鼻声だ。
私はちょっと不謹慎だが、人の鼻声が好きなのだけれど、自分のもちょっと好きだ。
度々一人で「なにぬねの」と言ってみる。
「ごはんは?」
とのぞいてもらい、冷凍キンパ(買っておいてよかった)と、夫の焼くギョーザ(彼は最近焼くだけギョーザを焼くことを覚えた)と、湯煎で温める茶碗蒸しが用意されていた、もとい、みんなが食べた後に残されていた。
「りんごは?剥いてやるぞ?」
と本日何度目かの夫の「りんご買ってきた」アピールに、長女の彼氏といい「看病=りんご」という発想が似ている。よく言う〝父親に似た人を選ぶ〟みたいなことなのだろうか。
普段なら、ビールをプシュッとするところなのだけれど、全然欲しないところをみると、やっぱり体調はすこぶる悪いらしい。
(私の晩酌は健康のバロメーターなのだ)
ご飯を食べ終えた家族は、テレビで「学校かくれんぼ」を見ながら盛り上がっている。
その賑やかな笑い声も、すこし頭にひびいて、さっさと食べ終わり、寝室へ引き上げるおとなしさだ。我ながらしょんぼりだ。
再び布団のミルフィーユの中へ潜り込む。
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よく寝た。
たくさん夢を見た気がするけれど、一つも覚えていない。ズンと重たかった頭が軽くなった気がする。
36.7度。
鼻はつまっているけれど、もう大丈夫。
ただの風邪だったみたいだ。
終始37.5度を超えない、人によっては高めの平熱程度だったのに、この寝込みようなのだから、まったく私はヘナチョコだ。
ノソノソと起きだす。
「おはよー」
うん、大丈夫。
まだ鼻声は健在だ。
「なにぬねの」
ほらね。
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