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青に憧れて。


四月から通った陶芸工房のろくろ教室。

土練り~ろくろ形成~削り作業~素焼き(800℃)~下絵つけ・釉薬がけ~本焼き(1200℃超え)の工程を経て、ようやっと一つの作品が完成する。

私たちの作品は、この秋の六連房登り窯で一斉に焼かれる。その窯詰めの前、器に化粧を施す時期になったのだ。

志野  青磁マット 辰砂をとばして
鉄赤 に カイラギ 釉をさして


窯の火のまわりに、釉薬の溶け方や発色が変わっていく。焼き上がりを想定して施すけれど、それは本当に窯をあけてみないことには分からないのだ。

陶芸とはそういうもの。

たくさんの工程を経ているだけに、焼き上がりがうまくいかなければ、どれだけそれまでの工程に丹精をこめても、パァになることだってある。

そうはいえど、

その工程ごと最善をめざし、
手を抜くわけにはいかないのだ。

なぜなら、窯で「化ける」ものがあるからだ。

想定以上の、偶然にして、奇跡の産物が生まれることがあるから。


陶芸家たちはその「化ける」に魅了される。


呉須、焼き上がると藍色に出るあの青の濃淡に取り憑かれて。今年もまた、呉須で下絵つけをした。筆のはこびを自由に、

「大胆にやれよ。」

と言ってくださったのは、陶芸家、棗先生。

ぼかしの技術や、筆はこびなどを、見せて教えてくださった。

蓮池と 百合と鳥 (古代呉須)


火入れまで、一週間をきった。


窯から出てくる青を、


憧れている。



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昨年の窯出しの様子。

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