【完全版】無料で使える勤怠管理システム3社の忖度なしに徹底比較
「無料の勤怠管理システムを比較検討し、新しく導入しよう」
そう上司から指示されたものの、新しいシステムの導入には想像以上に時間がかかります。少しでも人事担当者の負担を減らせればと思い「実際に登録してみた様子」や「実際に比較した結果」をnoteに残してきました。
それらをすべてまとめた「完全版」としてご紹介します。
※あくまでも順位は個人の感想です
※中立な立場で忖度なしに比較しています
比較する無料の勤怠管理システム3社
弊社は、無料で利用できる勤怠管理システムを探していましたので、まずはオーソドックスに「勤怠管理 無料」で検索をかけました。すると、2020年09月18日現在、以下の3社が表示されました。
●検索表示2位:IEYASU
https://www.ieyasu.co/
●検索表示3位:フリーウェイタイムレコーダー
https://freeway-timerecorder.com/
●検索表示4位:スマレジ・タイムカード
https://timecard.smaregi.jp/
上記3社以外にもシステムはありましたが、「従業員3名まで」「60日間は無料」などの無料で利用できる範囲が極めて狭いシステム、明らかに機能が不足しているシステムは除外しました。
【完全版】比較表_無料の勤怠管理システム
「料金」「初期設定・サポート」「打刻」「シフト」「月次集計データ」「特殊な労働形態」の観点で比較した結果を、比較表にまとめました。
↓画像だけでは見づらいため、↑スプレットシートのURLも合わせて掲載させていただきます。
様々な観点で比較した結果、総合1位は「IEYASU」になりました。
「料金」「初期設定・サポート」「打刻」「シフト」「月次集計データ」「特殊な労働形態」の観点で比較した結果の要点をそれぞれご紹介いたします。
※詳細記事もご用意しておりますので是非ご覧ください。
【料金を比較】個人的1位はIEYASU
まずは、料金から比較していきます。「勤怠管理 無料」で検索表示されることに違わず、3社とも、初期費用・月額費用0円で利用できます。
ただし、無料で利用できる人数に制限がある場合があります。
その中でIEYASUは、「人数制限なく」「利用期間の制限もなく」「ずっと無料」で利用することができるため、料金ランキング1位とさせていただきました(無料の理由についてのFAQがありました)。
その他 特筆すべきなのは、フリーウェイタイムレコーダーの有料プランの料金です。他2社と比較して、フリーウェイタイムレコーダーの月額費用は圧倒的に低価格で設定されていました。
他2社は、機能や従業員数によって有料プランの価格が変わる一方で、フリーウェイタイムレコーダーは、月額利用料:1,980円(税抜)で、全ての機能が利用できました。登録できる従業員数も無制限となっているため、1,980円/月で全機能を何人でも利用できることになります。
※今回の記事では「無料で使える勤怠管理システム」を主題としているためランキングは3位とさせていただきました。
【初期設定・サポートを比較】個人的1位はスマレジ・タイムカード
3つのシステムを初期設定をしてみた結果、スマレジ・タイムカードが最もスムーズに設定することができました(あくまでも個人の感想)。
1位の理由(1)_画面の指示にしたがって進めるだけで設定が完了する
初回ログイン後には、「かんたんセットアップ」の画面が表示されます。この「かんたんセットアップ」の画面のにしたがって操作をするだけで、初期設定を完了させることができます。
1位の理由(2)_個別の相談・問い合わせが可能
「質問したいときに」「個別に質問ができる」ことは非常に重要ですが、スマレジ・タイムカードは、その「問い合わせサポート」が優れていました。
●チャットボットで個別質問
●無料電話相談(お試し期間中60日間)
2位のIEYASUは、個別サポートでは劣っているものの、YouTubeチャンネルやFAQサイトのコンテンツが充実しており、設定に迷うことはありませんでした。
●IEYASU_YouTubeチャンネルhttps://www.youtube.com/channel/UC69JYlqpw0pDIV-XPs_k1ow
また、初期設定代行サービスや無料のオンライン質問会など、他2社にはない変わったサポートが用意されていたことも印象的でした。
各社の詳細については、下記の記事をご覧ください。
■詳細記事
【初期設定】無料で使える勤怠管理システム3つの初期設定を比較
https://note.com/system_hikaku/n/n987325a4fdfa
【打刻を比較】個人的1位はIEYASU
「多彩な打刻方法」「一般利用者アプリがある」「位置情報が一覧で確認できる」という3つの理由から1位はIEYASUとなりました。
・パソコンからの打刻(ブラウザ)
・スマートフォンからの打刻(アプリ)
・タブレットからの打刻(アプリ)
・ICカードをかざす打刻
・LINE連携による打刻
・slack連携による打刻
上記のように打刻方法が複数あり、特にLINE打刻やSlack打刻があることは印象的でした。
また、個人的に気になったのは「位置情報を一覧で見れる」という点です。他2社も位置情報を取得できます。しかし「クリック(もしくはマウスオーバー)しなければ住所が表示されない」「地図形式でしか表示されない」という仕様になっていました。
運用を考えた場合、全スタッフの打刻位置情報を一目で見れる方が便利だと思いますので、IEYASU1位の理由とさせていただきました。
ただ、IEYASUでも1つ残念なポイントもありました。それは「事業所入り口に電子端末を1台設置し、複数名が打刻ボタンをクリックする運用」には適していないという点です。この場合、社員が打刻をするたびにログイン・ログアウトをしなければならず、事業所の入り口が混雑してしまいます(このような運用の場合、ログイン・ログアウトの不要なIEYASUはICカードでの打刻を推奨しています)。
「事業所入り口に電子端末を1台設置し、複数名が打刻ボタンをクリックする運用」に最適だったのは、スマレジタイムカードです。
電子端末に社員の名前が並んでおり、自分の名前をクリックして打刻を行うため、ログイン・ログアウトの必要はありません。また、笑顔を自動で検知し打刻する「笑顔認証機能」は他2社にはない生体認証の打刻方法になります。
各社の詳細については、下記の記事をご覧ください。
■詳細記事
【打刻】無料で使える勤怠管理システム3社の打刻方法を比較
https://note.com/system_hikaku/n/nf93e84073dd1
【シフトを比較】個人的1位はIEYASU
無料プランでシフト登録ができるのはIEYASUだけでしたので、必然的に1位になりました。シフトの動画やFAQ、クイックスタートマニュアル等が用意されていたので迷うことなく設定することができます。
https://www.ieyasu.co/help/wp-content/themes/generate/assets/pdf/IEYASU_manual_shift.pdf
スマレジ・タイムカードは、無料ではシフト管理ができませんが、有料プランであればシフト管理が可能になります。従業員からのシフト希望日の収集や、パターン化していない変則的なシフトの登録も可能です。
各社の詳細については、下記の記事をご覧ください。
■詳細記事
【シフト】無料で使える勤怠管理システム3社はシフトに対応しているのか
https://note.com/system_hikaku/n/nb18ba988774a
【月次集計データを比較】個人的1位はIEYASU
「どのような項目が」「どのような形式で」月次集計データが出力されるのか、「給与計算システムとの連携は可能か」などは、比較する上で重要な検討事項になります。
●無料プランで月次集計データ出力が可能
→IEYASU、フリーウェイタイムレコーダー
●無料プランで月次集計データ出力が不可能
→スマレジ・タイムカード
無料で出力ができるIEYASU、フリーウェイタイムレコーダーを比較したところ、以下4点でIEYASUの方が優っていると感じたため、個人的1位はIEYASUとさせていただきました。
1)集計項目が豊富で、実態に即した集計が可能
2)出力項目のカスタマイズが可能
3)月次集計データが1人1行で出力されるかどうか
4)一部の給与計算ソフトではAPI連携も可能
詳細については、下記の記事をご覧ください。
■詳細記事
【月次集計】無料で使える勤怠管理システム3社は月次集計データを出力できるのか
https://note.com/system_hikaku/n/n9bf730418751
【特殊な労働形態を比較】個人的1位はIEYASU
・みなし労働(出張、直行直帰など)
・変形労働制
・フレックスタイム制(1ヶ月,1年)
・裁量労働制
上記のような特殊な労働形態を管理できるかどうかを比較したところ、スマレジ・タイムカードとフリーウェイタイムレコーダーは、対応していないことが分かりましたので、必然的にIEYASUが1位となります。特殊な労働形態に関する記事が用意されていましたので、詳細は以下の記事をご覧ください。
【はじめてのIEYASU】フレックスタイム制、裁量労働時間制など正しく労務形態を設定する方法
https://www.ieyasu.co/media/first_ieyasu_labor_type/
【総括】結局、無料の勤怠管理システムはどれを選ぶべきか
「料金」「初期設定・サポート」「打刻」「シフト」「月次集計データ」「特殊な労働形態」などの観点で比較した結果、総合1位は「IEYASU」という結果になりました。
最後に、3つのシステムを触ってみて感じた「”どのような場合に”どのシステムを選ぶべきか」についてまとめます。
■IEYASUを導入した方が良い場合
○無料で使い続けられるシステムを探している場合(人数制限なし)
○無料で基本的な勤怠管理機能を利用したい場合(無料プランでも十分な機能が備わっている)
○フレックスタイム制や裁量労働制などの特殊な労務形態がある場合
○月次集計データをカスタマイズしたい場合(多様な残業集計にも対応でき、集計データをカスタマイズすることも可能)
■スマレジ・タイムカードを導入した方が良い場合
○店舗系
アルバイトやパートなどが多くシフト管理が必須で、シフト管理の簡単さを最も重視したい場合は、スマレジ・タイムカードがおすすめです。有料プランであれば、シフト希望の収集や柔軟なシフト登録が可能になります。
※スマレジタイムカードは有料プランで利用することが前提(月次集計データが出力できないため、無料プランでは運用が難しいかと思います)
■フリーウェイタイムレコーダーを導入した方が良い場合
○シンプルなシステムで良い場合
残業集計や勤務パターンが非常にシンプルで、シフトの登録なども必要ない場合(=従業員ごとの就業開始・終了の時間が一定である場合)。
○ゆくゆくは、有料プランに切り替えて給与計算まで一括管理したい場合
フリーウェイタイムレコーダーは、月額利用料:1,980円(税抜)で全機能を何人でも利用できることになります。また、同じ会社が提供している「フリーウェイ給与計算」というシステムもあります。
勤務パターンが非常にシンプルで、給与計算もシンプルなので、ゆくゆくは給与計算までシンプルに管理をしたいという場合は、フリーウェイタイムレコーダーでも対応できるかもしれません。
※フリーウェイタイムレコーダーの無料プランは、10名までしか登録できませんのでご注意ください。
結論
無料で勤怠管理システムを導入する場合は「IEYASU」
ただし
店舗系の場合は「スマレジ・タイムカード」を検討
超シンプルに管理できる場合は「フリーウェイタイムレコーダー」を検討