SDGsにおけるバックキャステイィング思考
ものの見方には2つある。
フォアキャスティングとバックキャスティング
過去の経験や成功例を重視し、過去の延長線上に未来はあると考え、達成すべき目標を設定するフォアキャスティング思考と、
過去の延長線上に未来はない、未来は予測できないないが自分でデザインできると考えるバックキャスティング思考がある。このデザインとは「あるべき姿」を決めることである。
過去の延長線上で考える課題
まず、過去のデータ、成功事例を集めることから始めるが、整理、分析中に経営資源(人、もの、金、技術)が途切れ、金がかかる、こんなことできる訳けがないと途中であきらめてしまったという話をよく聞く。
開発のための思考法
バックキャスティング思考は「変革」を目指した、商品、システム、ビジネスモデル等の設計・開発をするために有効な思考法である。
どうしたい、その目的は何か、その目的の目的は何かと「あるべき姿」を追求することから始める。
「あるべき姿」の階層
「あるべく姿」には、理想である「究極のあるべき姿」からここまで達成したいという「あるべき姿」まで階層がある。
階層ごとに開発のための経営資源が異なるので事業化する場合には、だれに、何を、どのようなもの、どのような価値を提供するかと選択できるため、より高い目標の設定、より現実的なものの見方ができる。
SDGsは「改善」でなく「変革」を求めている
SDGsは、「改善」でなく「変革」を求めている。SDGsを活用する場合はフォアキャスティング思考でなく、バックキャスティング思考で「あるべき姿」を決め、「あるべき姿」を達成する解決策を考える。
SDGsのゴールは、目標と考えるのではなく、2030年までの環境、社会、経済の解決すべき「あるべき姿」と考えると自分たちは何ができるのかが見えてくる。
EA21-SDGsモデルの「あるべき姿」
「CO2を大幅に減らした」という「あるべき姿」を決め、EA21(環境省のEMS登録制度)導入事業所を年間50社づつ増やすビジネスモデル(EA21-SDGsモデル)を運用中である。
長野県において、2004年EA21登録制度が始まり280件の登録件数がある。大大幅なCO2削減として、年間250t-CO2削減(新規のEA21導入企業年間50社)を「あるべき姿」と設定している。
年間250t-CO2削減は、上田市の総排出量の1.4%になる。
EA21導入支援モデル
そのための解決策として、バックキャスティング思考の問題解決プロセスを使い、経営の利益管理と直結した、「早く、安く、楽に」導入できるビジネスモデルを開発した。